18日、2017年の世界ラリー選手権(WRC)が始動。第1戦モンテカルロのシェイクダウンが行われ、18年ぶりにシリーズ復帰を果たしたTOYOTA GAZOO Racingは順調な滑り出しをみせた。
シェイクダウンは翌日スタートするラリー本戦へ向け、マシンの最終確認を行うためのもの。ラリー・モンテカルロではサービスパークから約10km離れた場所に全長3.35kmのコースが設けられた。
コースは雪と氷に覆われるモンテカルロらしい路面コンディションとなったが、トヨタは本戦へ向けてスタッド付きスノータイヤを温存。ヤリ-マティ・ラトバラとユホ・ハンニネンはスタッドなしスノータイヤで細心の注意を払いながらシェイクダウンを走りきった。
チームのテクニカルディレクターを務めるトム・フォウラーは「シェイクダウンは基本的にシステムチェックが目的であり、我々はヤリスWRCのコクピット内のファインチューニングを行なった」と走行を振り返った。
「両ドライバーともマシンの仕上がりには満足していたため、特に大きな変更は施さなかったけれど、これはポジティブなことだと思う。(シェイクダウン)終盤は暗闇のなかでの走行だったけれど、明日のナイトステージに向けてライトのセッティングを行なういい機会になったよ」
シェイクダウン最速のオジエと7.1秒差につけたラトバラは「結果には満足している」とコメントしている。
「ただ、コースのレッキ(事前の下見走行)では、これまでラリー・モンテカルロで体験したことがないほど多くの雪や氷がコース上にあった。例年以上に大変なラリーになりそうだ」
「シェイクダウン終盤は陽が落ち暗闇のなかでの走行になったけれど、明日(19日)のSS1~2は夜間の走行で、とても滑りやすいコンディションになりそうだから、いい準備になったと思う」
「チーム一丸となりハードワークを続けてきた結果、いいフィーリングでシーズンを迎えることができたよ」
これまでヤリスWRCの開発を担当してきたハンニネンは「シェイクダウンで最初の走行を終えた後、『初めてラリーに出た時のような気分だった』とコドライバーに伝えたよ」と語った。
「僕にとってはそれぐらい新鮮で、エキサイティングなスタートに感じられた。シェイクダウンのコースはとても難しい路面コンディションだったから、細心の注意を払って走行したんだ」
「ヤリ-マティ(・ラトバラ)と同じく、僕もスタッドなしのスノータイヤで走行し、スタッド付きのスノータイヤはラリー本番に温存することにした。ヤリスWRCのフィーリングはとてもよく、明日のラリースタートが楽しみだよ」
現地19日は、18時すぎにモナコのカジノ前でのセレモニアルスタートの後、SS1~2が行われ、本格的にラリーがスタートする。