世界ラリー選手権(WRC)で優勝経験のあるミッコ・ヒルボネンは今週末、復帰初戦に挑むTOYOTA GAZOO Racingが万全の体制ではないと語った。
1月19日に開幕するWRC第1戦モンテカルロで、18年ぶりにシリーズ復帰を果たすTOYOTA GAZOO Racing。ドライバーには開発を担当してきたユホ・ハンニネンと、強豪ドライバーのひとり、ヤリ-マティ・ラトバラを起用して臨む。
ヒルボネンは、そんなTOYOTA GAZOO Racingにテストドライバー参画しており、テストドライブを行った際、シーズン後半までは表彰台争いに絡むことは難しいと直感したという。
「個人的には、トヨタの準備がすべて整っているとは思えない。開発スケジュールはかなりタイトなものだったし、まだいくつか作業が残っているという話も聞いているよ」とヒルボネン。
「ただ、ヤリ-マティ(・ラトバラ)が加入したことで状況は変わっていくだろう。彼は経験豊富だし、チームを引っ張っていく力を持っているからね」
「それでもシーズン前半にライバルに追いつけるとは思えない。表彰台を争えるようになるのは、シーズン後半だろうね」
また、ヒルボネンは昨年ランキング6位と低迷した同郷のラトバラの復活を期待しているとも述べた。
「2016年シーズンはラトバラにとって、難しい1年だったと思う」
「いくつかミスも犯したし、あのフォルクスワーゲンのマシンとは思えないくらい、マシントラブルが多かった」
「今年はチームを移ったこともあり、文字通りゼロからスタートだ。マシン開発に取り組みながら、ひとつひとつのラリーに集中していってもらいたい」
なお、今季のチャンピオン争いについて、ヒルボネンはオジエとMスポーツのコンビが最有力と考えているという。WRC現役時代、ヒルボネンはMスポーツで14勝を挙げている。
「(オジエのタイトル5連覇は)不可能ではないだろう」
「参戦する全チームが新規にマシンを設計するという状況はかなり久しぶりだけど、Mスポーツはいつも競争力のあるマシンを仕上げてくる」
「確証はないけれど、Mスポーツがチャンピオンになる可能性は高いだろうし、そう願っている。僕のキャリアにとってMスポーツと代表のマルコム(・ウィルソン)は大きな存在だからね」
「オジエが新しいチームにどう馴染んでいくのか、自分が開発に携わっていないマシンをどう乗りこなすのかも興味深いよ」