ドラマ『大沢在昌サスペンス「冬芽の人」』が春にテレビ東京系で放送される。
『新宿鮫 無間人形』で『第110回直木三十五賞』を受賞した大沢在昌の小説『冬芽の人』をもとにした同作。殺人事件の捜査中に同僚の前田光介を死なせてしまったことから刑事を辞めた主人公・牧しずりが、前田の息子・仲本岬人との出会いをきっかけに、前田の死にまつわる事件の真相を追い始めるというあらすじだ。
自身をかばって負った怪我がもとで命を落とした前田への罪の意識から、心を閉ざしているヒロイン・しずり役を演じるのは、テレビ東京のドラマで初めて主演を務める鈴木京香。しずりと共に事件を追う岬人役を瀬戸康史が演じる。鈴木と瀬戸は今回が初共演となる。
■鈴木京香のコメント
・『大沢在昌サスペンス「冬芽の人」』に出演した感想、役作りや撮影時のエピソードについて
しずりにとって、刑事の仕事は天職だったのだと思います。
彼女を演じる間、その一点が常に念頭にありました。
その仕事を離れ、過去を隠して生きていくのはどんな思いだったのか。
彼女の背負った重い十字架を一緒に担ぐ気持ちで過ごした一か月でした。
撮影時のスチール写真をみせていただいたのですが、眉間に力が入った険しい表情の自分がいて驚きました。銃をかまえたり弾着をしこんだり、初めての経験もありました。
・瀬戸康史との初共演について
瀬戸君はお会いする前と後ではだいぶ印象の変わった役者さんです。
年齢以上にしっかりとした男らしい方で、事件を追う場面では役柄とは逆にだいぶ助けられました。
早春のシーンを撮影する日に、都内にも大雪が降ったんです。瀬戸君と二人、歯をカチカチさせながらテストを重ねました。本番では白い息が見えないよう息を止めたり工夫もしました。
いいシーンになっていると思います。
・番組の見どころ、視聴者へのメッセージ
一本の線のように生きると決めた女性が、どう自分を許すのか。
ふたたび人を愛せるようになるのか。守るべきものの為に、人はどれほど強くなれるのか。
雪解けの頃ご覧いただくのにぴったりのドラマに仕上がっていると思います。ぜひ楽しんでください。
■瀬戸康史のコメント
・『大沢在昌サスペンス「冬芽の人」』に出演した感想、役作りや撮影時のエピソードについて
父の事を知りたいという思いから、しずりさんを想う感情が岬人の中にどう芽生えたのか、最初は腑に落ちるまで時間がかかりました。しかし、何度も台本を読んでいくと、人が人を大切だと思った瞬間に年齢や今の状況などは関係なくなって、今まで思ってもみない感情が湧き上がってくるのだとわかりました。
・鈴木京香との初共演について
しずりさんの哀愁を抱えたイメージとは違い、ものすごくチャーミングで、どちらかというと周りを癒すエネルギーのある方だという印象です。
その影響もあり、僕も岬人の様にすぐに距離を縮めることができました。
・番組の見どころ、視聴者へのメッセージ
刑事ドラマ、年の差の恋愛ドラマの要素に加えて、ある事件をきっかけにお互いを知っていくストーリーです。
ミステリードラマとして、事件の謎は徐々に解けていきますが、自分の心の中で何とも言えない謎な想いが膨らんでいく。純粋なのだけれどある意味では不純な...変化していく2人の関係性もお楽しみ下さい。
■大沢在昌のコメント
これまで何人かの男優さんには、「あなたの書いた主人公を演じたい」といわれたことがありました。しかし女優さんに「この役をやりたい」といっていただくことはありませんでした。それが初めて、しかも鈴木京香さんに演じたいといっていただき、大変光栄に感じています。この『冬芽の人』は、タフで男勝りの女性主人公が多い私の作品の中では異色です。過去に傷つき、ひっそりと生きる道を選んだ女性が、その過去と向きあうことで再生する姿を描きたいと考えました。やさしく涙もろく、しかし決断すれば、命がけで好きな人を守ろうとするヒロイン牧しずりを、鈴木京香さんがどのように演じて下さったのか。完成が楽しみでなりません。