フェリペ・マッサは、ウイリアムズからのオファーでなければ、F1引退を撤回して戻ってくることはなかっただろうと語った。16日、バルテリ・ボッタスが2017年にメルセデスに移籍することが正式に発表され、それに伴い、マッサがボッタスの代わりを務めることも明らかになった。
ブラジル出身のマッサは、14シーズンにわたりF1に参戦し、フェラーリに在籍中の2008年にはタイトル獲得まであと一歩のところまでいった。彼は2016年シーズン末でF1から引退することを表明していた。
だが、2016年ワールドチャンピオンのニコ・ロズベルグが12月に衝撃的な引退発表をし、ボッタスが彼の後任ドライバーとして最有力候補になったため、マッサが引退を取りやめる可能性が浮上した。
マッサ自身にはレースを続けたいという意志があり、2017年シーズンをフルに走ることのできる選択肢を他のシリーズに求めていた。しかし、ルーキーのランス・ストロールのチームメイトとして経験豊富なドライバーを求めるウイリアムズからのオファーを受けた時、マッサはF1に戻ることを選んだ。
「僕はレースをすること、競争すること、そしてコースで戦うことに情熱を持っている」と、これまで250ものグランプリを戦ってきたマッサは言った。
「復帰を決めたのは、自分にとってF1が最善の選択肢だったからではない。ウイリアムズで担う役割が最善の選択肢だと考えたからだ。他のチームだったら復帰はしなかっただろう」
「どこかでレースをしたいという考えが常にあった。まだレースにも競争にも情熱を持っているからね」
「過去3年間を共に過ごしたウイリアムズにも強い愛情を感じている。だから、2017年にチームがさらに前進するために、僕が戻ることで安定感と経験値を与える助けになるなら、それが正しい行動だと考えたんだ」
■ファンが決断を後押し
マッサは、自分が復帰するかもしれないという報道がなされた時のファンからの大きな反応が、ウイリアムズからのオファーを受ける決断を後押ししたと語った。
「僕が復帰する可能性があるとメディアが報じ始めた時、大勢のファンが僕が戻ってくるのを見たいと言ってくれた。そのことに感激した」
「それは間違いなく今回の決断をする要因の一つになったし、だからファンの応援に対してはありがとうと言いたいんだ」
「ただ、結局のところ、連絡があった時、それは僕には断れないオファーだった。ウイリアムズからだったからね」
「2014年にウイリアムズに加わった時、僕はその一員でありたいと思えるチームに、家族に、巡り合ったと思った」
「それに僕はコースで走り、戦いたいという気持ちを失っていないしね」
「今年、自分が何をすると決めたとしても、最高の仕事をするために100パーセントの努力をしていただろうし、その情熱がなければ復帰することを承諾していなかったよ」
契約期間について聞かれたマッサはこう答えた。「今のところは2017年だけの契約だ。それ以降のことは考えていない」