2月24日にオーストラリア・フィリップアイランドで開幕を迎える世界スーパースポーツ選手権(WSS)。このシリーズへフル参戦することになった渡辺一樹に、世界選手権へ挑む心境や、日本と海外のマシンの違いについて聞いた。
世界へ挑戦したいという気持ちは「ロードレースを初めたころからあった」という渡辺。世界選手権デビューへの心境について次のように明かした。
「今までとは環境が変わるので不安な面がありますが、それと同時に世界戦に出たいという気持ちがずっとあったので、楽しみな面と半々です」
渡辺は発表会前の3日間、スペイン・へレスでチームのテストに参加し、WSS仕様のZX-6Rを走らせたという。
国内と海外のマシンの違いに関して尋ねると「市販されているバイクなので基本的には同じです。サスペンションで違う部分があるのですが、それを自分が求めるセットアップに変更してフィーリングが改善してからは、日本(で乗るマシン)とほぼ変わらない感覚で乗れました」と感触は良好のようだ。
また、日本人ライダーが海外のレースで一番苦しむのが日本と海外のタイヤの違いだ。渡辺が参戦してきた日本の全日本ロードレース選手権ではブリヂストンタイヤ、一方のWSSはピレリタイヤのワンメイクとなっている。このタイヤの違いについては「ほとんど同じフィーリング」と渡辺。特に大きな違いはないという。
WSSでは操るマシンの排気量が変わる点も気になるところ。しかし渡辺は、全日本で乗っていた1000ccのZX-10Rから600ccのZX-6Rへの乗り換えもスムーズだったと語る。
「過去に600ccは乗っていたので、乗り換えに違和感はありませんでした。パワーがあると車重が重くなるのですが、そうはならないので楽に乗れています。滑っても何が起きても平気な感じです(笑)」
「テストでは何人かの選手と走っていて、その時、自分も同じレベルで走れていると感じました。RS-ITOで600ccのチャンピオンを獲得して、チームグリーンで4年間育ててもらったので、自分の技術も上がっていますし、自覚もしています」
「表彰台を獲得しているチームメイトに対しても、コンマ2秒くらいの差でついていっているので、十分に追い越すチャンスはあると思います」
「2017年はライダーとしての真価を問われるシーズンになりますし、実力を発揮する場になると思います。レース自体が海外中心のため国内だとみなさんに見てもらう機会が減ってしまいますが、勝ちを目指してレースを戦うので、応援よろしくお願いします」
果たして世界戦でどのような走りをみせるのか。渡辺の活躍に期待したい。