限られたシートをめぐるストーブリーグが加熱しているスーパーフォーミュラ 開幕を3カ月後に控え、次第に選挙速報ならぬ『当確!』情報も入るようになってきた2017年スーパーフォーミュラのストーブリーグ。年が明けて、多くのチーム関係者の仕事始めとなる東京オートサロン2017でもさまざまなウワサが飛び交い、徐々に各チームの体制が固まりつつあることが分かってきた。
まず、これまでベールに包まれていたホンダ陣営の様相が見えてきた。東京オートサロン2017を訪れた方なら、無限ブースに直立で展示されたSF14マシンの姿は記憶に新しいはず。この直立のマシンは展示用のデモカーではなく、実車であることが判明した。
すると、この直立のマシンと、その背後に展示された無限のSF14と合わせて、TEAM無限は2台のレースカーを所有していることが分かる。
事前にもウワサがあったが、この2台の実車を今シーズンに投入する形で、TEAM無限は2014年以来となる2台体制に戻るのではないかという話が確証を得つつある。気になるドライバーの1台目は山本尚貴が濃厚。であり、ほぼ当確と見て間違いない。もうひとりは、外国人ドライバーの名前が挙がっている。
当然、今年のスーパーフォーミュラに参戦がウワサされる話題の外国人ドライバーと言えば、まっ先に名前が出るのが、レッドブル育成ドライバーのピエール・ガスリー。昨年のストフェル・バンドーンに続くGP2チャンピオン獲得者で、今年の注目の筆頭だったが……。
代わってTEAM無限のシートに収まりそうなのが、そのガスリーではなく、どうやら同じレッドブル育成ドライバー出身で、昨年のマカオF3ウイナーであるアントニオ・フェリックス・ダ・コスタなのではないかというウワサが上がっている。
ダ・コスタは昨年DTMに参戦し、フォーミュラEは初年度からチーム・アグリからも参戦していた。今季は現在、アンドレッティ・フォーミュラEチームに所属しているが、スーパーフォーミュラとのスケジュールは被らないため参戦は可能だ。
もちろん、最終的にはホンダの体制発表を待たなければならない状況ではあるが、マカオF3を2度制したダ・コスタが来るとなれば、さらに海外からの注目度も増し、よりハイレベルなシーズンになることは間違いない。
一方、昨年から話題に上がっているGP2王者のガスリーは、一時期NAKAJIMA RACINGやダンデライアン、トムスへの加入がウワサされたが、ここにきてゆくえが分からなくなってきている。NAKAJIMA RACINGに関しては、ひとつ目のシートは昨年の第6戦SUGOで2位表彰台に入り、最近は上位進出の機会が増えて来ている中嶋大祐がほぼ確定の様子。
そして、もうひとつのシートは外国人ドライバーになりそうな気配だが、ここで昨年所属のベルトラン・バゲット以外の名前もちらほら聞こえており、昨年トヨタ陣営に所属していたというドライバーの名前も聞こえてきている。そこにガスリーも加われば、一気にシート争いが白熱するが、果たしてどうなるか。
また、ガスリーの加入がウワサされていたダンデライアンは野尻智紀の残留がほぼ確実。もうひとつのシートは、伊沢拓也がリアル・レーシングから移籍することになりそうだ。そのリアル・レーシングは、塚越広大の1台体制が確実と言われている。
今季から新規参戦を果たすB-MAX RACINGは、昨年のルーキーテストに参加した佐々木大樹または小暮卓史なのではないかというウワサ。これまでのチームとの付き合いを考えると、佐々木が有力との情報が多い。
一方、トヨタエンジン勢も、各チームともにラインアップが絞り込まれて来ている模様。セルモ・インギングは国本雄資、石浦宏明で変更なし。KCMGは昨年末の噂通り、小林可夢偉が移籍することで濃厚なようだ。KONDO RACINGは昨年F3で活躍したニック・キャシディと山下健太の2台体制になる模様。
昨年末では動向が分からなかったチームインパル。ドライバー総入れ替えという噂も一時は上がったが、どうやら関口雄飛は確定の様子で、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラとヤン・マーデンボローによるシート争いは、2010年フォーミュラ・ニッポン王者であるオリベイラに軍配が上がったとのこと。
ただし、スーパーフォーミュラに関しては昨年の体制が継続ながらも、スーパーGTの方ではドライバーラインアップの変更がウワサされている。
チーム・トムスにも様々な噂が飛び交ったが、昨年同様にアンドレ・ロッテラー、中嶋一貴の布陣で変更はなさそう。ロッテラーに関してはWEC世界耐久選手権でポルシェに移籍したことで、スーパーフォーミュラへの参戦に影響しているのではないかと見られていたが、最終的には参戦が実現したようだ。
また、WECとスーパーフォーミュラに加え、スーパーGTへの参戦もウワサされている中嶋一貴は、そのすべてが実現すれば3カテゴリー同時参戦となるが、果たしてスケジュール的、体力的にどう折り合いを付けるのかが注目される。
チームルマンは大嶋和也の復帰がほぼ当確とされている。ただし、チームメイトに関しては昨年末には当確と言われていたナレイン・カーティケヤンの動向がここに来て不透明になってきており、ホンダ系チームへの移籍を検討しているとの情報も入ってきた。
となると、別の情報と合わせてホンダ系でシートが空いていそうなチームは……。さらには、チームルマンには新しい外国人ドライバーの名前もウワサされており、まだまだ体制発表まで目が離せないことは確か。
トヨタは2月上旬、ホンダは2月中旬あたりに体制発表を行うと見られており、そこで全ての体制が明らかになる。昨年はバンドーンの参戦で注目を集めたが、今年も昨年同様、大物ドライバーがギリギリまで交渉を重ねていることは間違いない。今年のスーパーフォーミュラは世代交代も進み、その影響が大きく出るドライバーズラインナップになっていきそうだ。
ストーブリーグ最新情報
◎ほぼ確定 ○濃厚 △ウワサあり
ドライバーチーム◎国本雄資◎石浦宏明CERUMO・INGING ◎アンドレ・ロッテラー◎中嶋一貴TEAM TOM’S ◎関口雄飛○ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ△ヤン・マーデンボロー?TEAM IMPUL◎野尻智紀○伊沢拓也TEAM DANDELION◎中嶋大祐○ベルトラン・バゲット△ピエール・ガスリー?△ナレイン・カーティケヤン?NAKAJIMA RACING ◎山本尚貴△アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ?△ピエール・ガスリー?TEAM 無限 ◎塚越広大REAL RACING ○ニック・キャシディ○山下健太KONDO RACING ◎大嶋和也△ナレイン・カーティケヤン?TEAM LEMANS○小林可夢偉KCMG△佐々木大樹△小暮卓史B-MAX RACING