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まだ16だから? 松本伊代さん線路内で写真撮影し謝罪…どんな罪になるのか

2017年01月17日 11:12  弁護士ドットコム

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タレントの松本伊代さんが、踏切から線路内に侵入して撮影した写真を自身のブログに掲載し、ネット上で批判を浴びた。松本さんは1月15日にブログを更新し、「この度は、私の不謹慎な行動にてご迷惑とお騒がせをいたしまして大変申し訳ございませんでした」と謝罪した。写真は現在削除されている。


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報道によると、松本さんは14日、ブログに「京都 竹林の道の途中 踏切で 優ちゃんとパシャリ」と題して、タレントの早見優さんと並んだ写真を掲載。2人は踏切を外れて、上下線の線路の間に立ち片手を挙げるポーズをとっていた。松本さんは続けて、「その瞬間 踏切が鳴り 慌てて逃げる2人」と題し、踏切が写った写真も掲載していた。


松本さんの行動に対してネット上では「これはさすがに洒落にならんな」というコメントや、「伊代はまだ16だから(精神年齢)」「まだ16だから勘弁してあげて」と、松本さんのヒット曲「センチメンタル・ジャーニー」の歌詞「伊代はまだ16だから」にかけたコメントが見られた。


踏切に侵入して線路で写真を撮影することは、法的にどのような問題があるのだろうか。岡田 一毅弁護士に聞いた。


●みだりに立ち入ることは許されない

「線路が鉄道営業法上の鉄道であることを前提に解説します。線路については、鉄道営業法37条で、みだりに立ち入ることは許されないことになっています」


岡田弁護士はこのように述べる。車が走る道路に立ち入る場合と、何か違いがあるのだろうか。


「道路についても、歩行者進入禁止のところに入ると、道路交通法8条1項違反として処罰されることになります。


道路は、歩行者と車両が共用されることが一般的な状態です。したがって、特に車両通行の妨げとなり、歩行者の安全が確保できない場合にかぎって、例外的に禁止するという形態をとっていると考えられます。


道路も鉄道も、いずれも歩行者の危険の防止、道路交通・鉄道交通の安全の確保のため、立ち入りを処罰しています。線路に立ち入った場合だけが、特に厳しく処罰されているというわけではありません」


●鉄道の往来の危険を生じさせた場合は「往来危険罪」の可能性も

線路に立ち入った場合、罪の重さはどの程度なのだろう。


「鉄道営業法37条によると、鉄道施設などの立ち入り罪は、刑罰としては一番軽い『科料(1000円以上9999円以下)』というものとなっています。線路への立ち入りにも適用されます。


もっとも、単純に立ち入るだけではなく、線路に置き石をしたり、標識を壊したりして、鉄道の往来の危険を生じさせた場合は、往来危険罪(刑法125条)として処罰されます。


たとえば、踏み板を勝手に線路に設置して、それが浮いていて車輪に当たるなどの場合は、往来危険罪で処罰される可能性もあり得ます」


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
岡田 一毅(おかだ・かずき)弁護士
2013年度京都弁護士会副会長。交通事故などの交通法務に詳しく、大手損保会社の顧問弁護士も勤める。また医療法人の顧問弁護士など、医事法務についても手がけている。大の鉄道好きでもある。

事務所名:赤井・岡田法律事務所
事務所URL:http://www.akai-okadalaw.com/