ルノーF1は2017年に向けてパワーユニットを徹底的に見直し、第2世代のエネルギーリカバリーシステム(ERS)を導入することを決めた。昨年インフィニティと技術提携したことで開発ペースが向上したという。
2014年から3年にわたって使用してきたパワーユニットからはすでに限界までポテンシャルを引き出し、開発の余地がなくなったと判断したルノーは、2017年に向けて完全にデザインし直すことを決めた。
合同テストスタートを6週間後にひかえ、マネジングディレクターのシリル・アビテブールは、今シーズン、ルノーはパワーユニットをさらに大きく改善させたいと語った。
「今年は確実にエンジンの状況を好転させたい」とアビテブール。
「去年は非常に素晴らしい年だった。それを確認する必要がある」
「内燃エンジンに全く新しい構造を取り入れるつもりだ。さらに、エネルギーリカバリーシステムの第2世代を初めて導入する」
2017年、ルノーは自身のワークスチームに加え、レッドブルおよびトロロッソとカスタマー契約を結び、パワーユニットを供給する。
最近では自身のERSのパフォーマンスは劣ってはいないと考える一方で、アビテブールはまだこの分野において大きなゲインを見出すことが可能だとみている。
「検討すべき、付随する要素がたくさんある。たとえば重量、パッケージング、冷却、さらに一定の状況下、特にある天候下での電力といったものだ」とアビテブール。
「二次的なものとみられているものがいくつかあるが、F1には二次的なものなど何もない」
「行き着くところまで行き着き、120KWを生み出せるMGUになったとしても、もっと前進し、チームとしてトップの位置に立つためには、こういったそれ以外の要素について検討する必要がある」
ルノーのERSが大変更される背景には、姉妹ブランド、インフィニティとの関係がより緊密になったという状況がある。技術移転契約の下、インフィニティのエンジニアが配置されるようになった。
インフィニティは2015年までレッドブルのタイトルスポンサーだったが、2016年に向けてルノーF1チームのテクニカルパートナーとなり、ルノーのパワーユニットのERSに関して技術的リソースを提供することになった。
両者の契約によってルノーは、外部委託に頼らずに、ルノー・ニッサン・アライアンスの枠内で内製することができるようになった。
その結果、より迅速な進歩が見られるようになり、最終的な製品に関して以前よりも優れた管理を行えるようになったという。
「率直に言って、これが我々の関係の本当の始まりだ」とアビテブール。
「昨年は多少急いだ部分があった。ただしインフィニティの準備は整っていた。一部は、すでにレッドブルとルノー・スポールの間に存在したものを移すだけでよかったのだ」
「しかしそれ以外の部分はひとつひとつ積み重ねていかなければならない。この構成要素は将来、そして次の5年から10年に向けた、しっかりとした基礎になると期待している。F1で活動する場合、これぐらいの期間は考えておく必要がある」