元F1ドライバーでトロロッソのチーム代表を務めた経験を持つゲルハルト・ベルガーが、メルセデスはニコ・ロズベルグの後任ドライバーとして、バルテリ・ボッタスではなく、ジュニアドライバーのパスカル・ウェーレインを選ぶべきだと考えている。
メルセデスは先月衝撃的な形で引退した世界チャンピオン、ロズベルグに代わるドライバーをいまだに発表していないが、プランは固まりつつあり、ウイリアムズのドライバーであるボッタスを、2017年のルイス・ハミルトンのチームメイトとして引き抜くものとみられている。
当初は最も妥当な候補者は、メルセデスのジュニアドライバーであり、2017年のシートも確定していなかったウェーレインであると考えられていたが、メルセデスはより経験があるボッタスを選んだようだ。
ウェーレインは2014年の9月からメルセデスF1のリザーブドライバーを務め、昨年マノーからF1デビューを果たし、初ポイントを獲得するなど、印象的なシーズンを送った。
トロロッソのチーム代表から退いた後もレッドブルとのつながりを保っているベルガーは、メルセデスはロズベルグの後任として同じドイツ出身のウェーレインを昇格させるべきであると考えている。
「私なら、自分の若手ドライバープログラムの意義を強調する意味でもウェーレインを採用しただろう」とベルガーはAuto Motor und Sportに対して語った。
「ウェーレインはこのプログラムで常に圧倒的な印象を残していた」
「トップクラスのマシンに乗せてみなければ、彼が実際、どのぐらい優れているのかは分からない」
ウェーレインは2017年はザウバーからF1に参戦するものとみられている。
誰もがうらやむ、王者メルセデスチームのシートに22歳のウェーレインを座らせることは、ボッタスを走らせるよりもリスクが大きいことは、ベルガーも認めている。一方で、ボッタスも昨年チームメイトのフェリペ・マッサに圧勝したわけではなく、メルセデスのシートにふさわしいと証明したとはいえないと主張した。
ボッタスは2016年に85ポイントを獲得、ドライバーズ選手権で8位だった。一方マッサは合計53ポイントでランキング11位を獲得した。
「ボッタスと比較すれば、ウェーレイン(の起用)はもちろんリスクだろう」とベルガーは付け加えた。
「よって、もしかするとうまい解決策というのは頭の中に最初に浮かぶものではないのかもしれない」
「私はボッタスを非常に高く評価している。彼は速いし、良いチームプレイヤーであり、素晴らしい人物だ。自分を証明するためのチャンスを掴んできた」
「一方で、我々に『彼を選んだのは正解だった』と言わせるほどには、マッサを負かすことができなかった」
「メルセデスにとって一番重要なのは、ハミルトンを眠らせてしまうようなチームメイトを選ばないことだ。ルイスはニコがいなくなって心の平和を得られるかもしれない」