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V6トニセンとTOKIOは今が旬ーージャニーズ王道と一線画す“大人の余裕”が生み出す笑顔

2017年01月15日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

V6

 「ジャニーズのがん細胞」そんな発言が飛び出した、1月11日放送の『TOKIOカケル』(フジテレビ系列)。ゲストに、V6の年長組である20th century(通称トニセン)の坂本昌行、長野博、井ノ原快彦を迎え、ジャニーズJr.時代から続くTOKIOとの約30年の付き合いを振り返った。


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 冒頭の発言は、本来ジャニーズとはキラキラな王子様であるところを王道とするならば、そうではない自分たちのことを「がん細胞」と長瀬智也が例えたもの。そんな風に言い合えるのも、10代から共に活動することが多かった仲だからこそ。番組では、まるで同窓会のような会話が飛び交い、大いに盛り上がった。


 まずは、本人たちの記憶をもとにジャニーズ事務所への入所年表を作成。1986年に長野と城島茂、1987年に坂本と国分太一、1988年に井ノ原と山口達也、1989年に松岡昌宏、1990年に長瀬が入所。それぞれの思い出がパズルのように組み合わさり、昔話に花が咲く。


 井ノ原が、松岡らと初の雑誌撮影で全力の笑顔をしたはずが、本人が今見ても酷いブサイクだと思う残念な仕上がりになり、社長から「とんでもないことをしてくれたな」と怒られた話。みんなでロケバスに乗って移動していた際、外からガラの悪い若者に絡まれ、出発する瞬間に城島が「かかって来いよ」と粋がってみせたが、すぐに赤信号で車が止まり大ピンチとなった話……など、次々と爆笑エピソードが飛び出す。


 1988年~1993年のアイドル氷河期には、なかなかデビューができず「終わった」が合言葉だったと坂本が会話のボールを投げれば、現在『Rの法則』(NHK Eテレ)でジャニーズJr.たちと共演している山口は「今でも言ってるみたいだよ」とトスをして、松岡が「早めに入っててよかったね、今入ってたら俺たちは売れてない」とアタックを打つ。そんなグループを越えたトークの連携プレーで笑いを誘った。


 トニセンは、V6としての活動時には森田剛、三宅健、岡田准一の年下組Coming Century(カミセン)を守る、しっかり者なお兄ちゃんっぷりが頼もしいが、トニセン単体時ではいつもよりヤンチャな一面が見えるのが楽しい。そして、自虐ネタも清々しく、ピースフルなのだ。デビュー当時のV6内にあったトニセンとカミセンの格差についても笑い飛ばしたり、Sexy Zone中島健人やタッキー&翼の滝沢秀明、嵐の松本潤といった後輩たちを自分たちの世代にはない才能を持っていると褒めたり、と器の大きさを感じる場面も多く見受けられた。


 本人たちも涙を流すほど笑いまくりで、きっと収録時にはもっと会話が弾んでいたことだろう。こんな風にアラフォージャニーズが、ゆるくトークをする番組をぜひ作ってほしいと思ってしまった。今デビューを目指すジャニーズJr.たちに飛び交う「終わった」や、デビュー組のメンバー格差を笑い飛ばす番組が見てみたい。自称“ジャニーズのがん細胞”であるトニセンとTOKIOは、笑顔を増殖させる優しい存在。キラキラ王子様とは一線を画して活躍する彼らは、大人の余裕がただようまさに今が旬かもしれない。(佐藤結衣)