トップへ

TRD、2019年に向け2リッター直4ターボの市販レーシングエンジンを開発中

2017年01月14日 21:41  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

東京オートサロンに展示されたTRD-BIZ001。北ホールのTRDブース内にある。
トヨタテクノクラフト(TRD)は、1月13~15日に千葉県の幕張メッセで開催されている東京オートサロン2017で、新たなレーシングエンジン『TRD-BIZ001』を展示した。

 TRDは、トヨタ車のカスタマイズパーツや特装車両の開発を行う一方、トヨタのモータースポーツ活動における技術開発を担当。これまで世界中で多くのレーシングエンジンを作り出してきた。

 近年の日本のモータースポーツでは、TRDはスーパーGT500クラスに参戦するレクサスRC F、スーパーフォーミュラで使用されるトヨタRI4Aエンジンを開発しているが、このRI4Aと同じ排気量となる2リッター直4直噴ターボエンジンが、東京オートサロンの会場に展示された。

 開発コード『TRD-BIZ001』と名付けられたこのエンジンだが、TRDによれば「過去のレーシングエンジンのノウハウを活用した一般市販用レーシングエンジン」だという。だが、話を聞いてみると、「現在のところ特定の参戦カテゴリーを意識したエンジンではない」という。

 このエンジンは現在のところ、これまでのトヨタのワークス活動で使用されてきたエンジンのように、TRDがメンテナンスやレースサポートを行うスタイルとは異なり、TRDから各エンジンチューナーに販売するかたちを想定。そこから先はどう活用するかは自由で、チューナーが独自のチューンを施すことも、リセールすることも可能だという。

 現代のモータースポーツ界では、例えば小規模なコンストラクターがレーシングカーを製作したとしても、搭載できるエンジンには制限が多く、TRDではこういった市場も意識している様子。もちろん、レギュレーションに合致するならばGT300クラスのJAF-GTマシンなど、プロフェッショナルなシリーズに投入することも可能になるはずで、非常に興味深いエンジンと言える。

 この『TRD-BIZ001』エンジンは現在のところ2019年に市販予定。最高出力は600馬力以上とされている。エンジンはこの時点でも非常にコンパクトで美しく、さまざまなレーシングカーに活用できそうだ。