スバル/STIは13日、千葉県・幕張メッセで開幕した東京オートサロン2017のなかで2017年シーズンのモータースポーツ活動体制を発表した。スーパーGT300クラスでは昨年に引き続きスバルBRZを投入するが、駆動方式の刷新を示唆した。
12年からGT300クラスにBRZを投入しているスバル。昨年は井口卓人/山内英輝というふたりを起用したほか、装着するダンロップタイヤのフロントサイズ径を拡大して臨んだ。
そんな16年シーズンは第4戦SUGO、第5戦富士で3位表彰台、第6戦鈴鹿1000kmで優勝を飾ったものの、ノーポイントに終わったレースも多く、ランキング6位と苦しんだ。
17年シーズンは体勢に変更はなく、引き続きR&D SPORTとタッグを組んでスバルBRZ GT300を投入。引き続き、辰己英治STIチーム総監督の指揮下で井口/山内のコンビがタイトル獲得に挑む。タイヤも3年連続でダンロップを装着する。
なお、マシンに関してはウィークポイントとなっていたストレートスピードの向上を念頭に、搭載する2リッター水平対向ターボエンジンの熱効率、出力効率の改善が図られているほか、軽量化、空力性能の改善、慣性モーメントの改良などを施しているという。
また、会見に登場した富士重工業株式会社/スバルテクニカインターナショナル株式会社の平川良夫社長は「この場では詳しくは申し上げられない」と前置きした上で、「スバルが持つ独自の駆動システムを新たに、このクルマ(BRZ GT300)に投入します」とコメント。これまでの後輪駆動から駆動方式を変更して挑むと明かした。
スバル独自の駆動方式と言えば、『シンメトリカルAWD』といった四輪駆動方式が思い浮かぶが、これがBRZ GT300に投入されることになるのか、気になるところだ。
今年でスーパーGT参戦4年目を迎える井口は「今年は3つの目標を掲げている」と今季への抱負を明かした。
「ひとつ目はスーパーGTでのシリーズチャンピオン獲得、ふたつ目は昨年開催されなかった地元九州のオートポリス戦での優勝です」
「最後は、昨年ランキング2位で終えたTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Raceでのシリーズチャンピオン獲得。この3つの目標を掲げて、2017年シーズンに挑みます」
井口のパートナーを務める山内も「チャンピオンを獲らなければ歴史に名を刻むことはできません。今年は必ずチャンピオンを穫れるように頑張っていきます」と意気込んだ。
最後に、今年もチームを率いる辰己総監督は「去年はチャンピオンも獲れず、目標としていたシーズン3勝を達成することができませんでした」と2016年を振り返り、「今年はなんとしても、ふたりの抱負を達成できるよう、マシンを改良しています」と語った。
「BRZはストレートで抜かれてしまうことが多かったので、井口と山内はコーナリングで頑張ってくれていました。しかし、それがクラッシュなどにもつながってしまっていたのです」
「今年はもう少し、直線で楽ができるクルマをドライバーに用意したいと考えました。そういったマシンを与えることができれば、記憶にも記録にも残るシリーズチャンピオンという結果が得られると思っています」