現地11日、NASCARの最高峰、カップリシリーズに参戦してきたカール・エドワーズが会見を行ない、2016年限りでの現役引退を正式に表明した。
13シーズンに渡り、NASCARに参戦してきたエドワーズ。これまでに28度の勝利を挙げているほか、08年と11年にはシリーズランキング2位を獲得している。
突然の引退発表について、エドワーズは「とてもシンプルな理由で決断した」と明かす。
「個人的に自分が築いてきたキャリアに満足感を感じたんだ。もちろん、シリーズタイトルを獲得していないと指摘する声があるのは分かっているけれど、僕はトロフィーが欲しくてレースをしているわけではない」
「今でもマシンに乗り込めばポテンシャルを発揮できる確信がある。この点にも、ある種の満足感を覚えている」
「第2の理由は、休息の時間が欲しいと感じたことだ。それも今すぐにね。僕にとっては大きな意味を持つ」
「最後の理由は健康面についてだ。今はレースで全力を尽くし、たとえどんな無茶をしても、肉体に大きな問題は起こらない。そして、この状態を30年後も維持していたいんだ。68歳になっても頭が切れる人間でいたいんだよ」
「それを妨げるリスクはできるだけ最小限に抑えたい。今、僕は間違いなく健康な状態だけど、このスポーツにはリスクが付きまとう。これが最後の決め手だった」
「こういった要因をすべて考慮した結果、このタイミングで退くことがベストだと判断した」
エドワーズは17年シーズンを戦った後に引退する道もあったとしたものの、昨シーズン終了後に参戦するべきではないと“直感”したという。
「(最終戦)ホームステッド後に、16年シーズンを振り返った際、なぜシーズンを楽しめなかったのか自分に問いかけたんだ」とエドワーズ。
「自分自身でいろいろなことを考え、周りからも意見を聞いた。そして(引退するタイミングだと)思い当たったんだ」
「あらゆるものを精査して、すべての兆候が行動を起こすべきだと指し示している時、僕はその直感に従うことにしている」
なお、現時点で他カテゴリーやモータースポーツ界以外からの勧誘は受けていないと強調。「将来的にレース界へ戻ってくる可能性はある」としたものの、今後は以前から興味を抱いていた航空関係や農業に注力していくとした。
また、一部で噂されていた政界進出については否定しながらも、「アメリカ建国の精神を守るために、つねに(政界進出には)オープンでいる」と述べている。
16年にエドワーズを起用していたジョー・ギブスレーシングは、その代役にエクスフィニティ・シリーズのチャンピオンであるダニエル・スアレスを起用。カイル・ブッシュ、マット・ケンゼス、デニー・ハムリンをあわせた4台体制でシリーズに挑む。