仕事関係の酒席で目上の人にビールを注ぐ時、「ラベルを上にしろ」と言われたことはないだろうか。若い世代の中には、何の意味があるのかと疑問に思っている人もいるようだ。
2ちゃんねるに1月9日、こんなスレッドが立っていた。会社の新年会でゆとり世代の新入社員がビールを注ぎに来たとき、ラベルを下に向けていた。思わず「あ?逆だろおい」と言ったところ、きょとんとされてしまったといい、スレ主は、
「これさっきの新年会でまじであった話ゆとりやばすぎ」
と首を傾げた。
そもそも銘柄の限られる瓶ビールでラベルを見せる必要はあるのか
これに対し、「注がせてくださいって言えってこと?」という書き込みがあるなど、何のことかわからない人もいる。スレ主は「逆つったらビールのラベルの向きに決まってんだろ」と突っ込むが、
「ラベルの向きでスレ立てる上司とか引くわー 」
「こういうくだんないことに拘ってんの最高に日本人だよな」
「すげーどうでもいい。こんなんに拘ってるゴミってほんとにいんのか」
など非難を浴びた。酒の席でのマナーについては、新入社員の頃に上司や先輩から教わった人は多いはずだ。筆者(編集部S)も不動産会社に勤務していたころに先輩から酒の注ぎ方指導を受けた経験がある。目上の人と乾杯するときはグラスを下に持っていくといったことのほかに、「お酌するときはラベルを上にする」と教わった。
ただ、新人が知らないのなら先輩として教えてあげればいいだけの話だろう。それを後からネットにぐちぐち書き込むのはいかがなものだろうか。
また、スレ内ではほかにも、
「年や畑で味も値段も変わるワインならともかく、大量生産のビールのラベルにこだわってどうすんだろ」
という意見もある。確かに、店でビールはワインほどメニューが多くないため、わざわざ名前を見せる必要がない、という考えには一理ある。
肝心の上司世代も別に気にしていない模様
一方で、「いやいや常識レベルだぞ……」など、知っていて当然という声もある。ゆとり世代だという人物は、ラベルを上にして注ぐというマナーはくだらないとしながらも、
「だからといって知らないのは非常識だし、やらないのはただのマヌケだと思う」
と考えを述べた。確かに、知っていてあえてやらないことと、無知でできないことには差がある。社会人として「こういうマナーもある」くらいの認識を持っていても損はない。
ヤフー知恵袋に過去に寄せられた同様の相談では、ラベルを上にしてビールをグラスに注ぐ理由として、
「お中元、お歳暮の熨斗面を下にして熨斗面では無い方を上に差し出す人はいないと思います」
という回答がベストアンサーに選ばれている。回答者は「ビールの正面はラベル面と捉えれば、自ずからラベル面が上になります」と続けている。相手に正面を見せる方が丁寧な印象を与えられる、ということだろう。
もっとも、肝心の年長者はそれほど気にしていないようだ。R25が昨年7月に掲載した「ビールを注ぐときのあのマナーって意味があるの?」という記事では40~50代に「上司世代が実は不要だと思う『飲み会マナー』」を聞いたところ、「目上の人に瓶ビールを注ぐときは、ラベルを上にする」が1位だ。理由には、「無駄な気遣い」(55歳)「気にかけたことがない」(55歳)などが挙がっていた。