電車や飲食店の中などで、シニア層の人が店員など周囲の人に横柄な態度を取る場面に出くわすことがあるが、見ていて心地よいものではない。
そんな中、1月9日付けの朝日新聞に掲載された52歳の女性の投書が話題となっている。タイトルは「居丈高なシニアに知ってほしい」。居酒屋でアルバイトをする大学生の娘が勤務先でシニア層から受けた不快な思いを綴ったものだ。
「接客業務に従事する人の労働量はシニア世代が働いていたころよりずっと多い」
大晦日の深夜シフトの際、シニアの男女グループがグラスを割ってしまい、破片を拾っていると客の女性から「早くふいてちょうだい」と居丈高にせかされた。その際、「ごめんさない」などの謝罪の言葉はなかったといい、娘も腹を立てていたという。
女性は「このようなシニアが最近よくいる」と指摘。スーパーの行列で声を荒げる男性を見たこともあった。その上で、「こうしたシニアの方々に理解してほしいことがある」として、「接客業務に従事する人の労働量はシニア世代が働いていたころよりずっと多い」と現状を訴える。
「労働人口の減少。コスト削減のために人員を切り詰める企業。(中略)高いサービス水準を求める前に、息つく暇もなく働いている人たちの現状を知り、『お疲れ様』という気持ちも持ってほしい」
この投書はとあるツイッターユーザーにシェアされ、約4万7000件リツイートされ、トゥギャッターでもまとめられた拡散した。シニア層の態度の悪さに憤る人からの投稿が相次いでいる。
「当たり前なんて思わないで欲しいですね。いい歳して感謝を忘れている」
「『私は高齢者なんだから気を使え』って人が多いんですよね…」
実際にシニア層から受けた不快なエピソードも寄せられている。
「この前雑誌の内容把握してなくて怒られたけどたかがバイトが商品の内容までわかるかよ。本屋で扱ってる本何冊あると思ってんだ 」
「今バブル時代と同じサービス品質を求められても苦しい」
ほかにも、ホームセンターでレジに割り込んできた老年の男性が、待たされたことに腹を立てて商品を投げつけ、「もう来るかこんな店!」と言い放って帰ったという話もある。迷惑極まりない。一方でシニア層だという人は「恥ずかしく、申し訳ない気持ちでいます」とツイートしていた。
「今バブル時代と同じサービス品質を求められても苦しい」「シニア世代には人手不足の労働現場を実感しにくいかもしれません」というツイートも出ていたが、シニア層と今の若い世代では、環境がかなり異なる。非正規で働く人も増え、正社員になったとしてもサービス残業に追われたりする。
とりわけ飲食業界では人件費削減のため最低限の人員で店を回すことも少なくない。そうした状況下で過剰なサービスを要求されても余計消耗するだけだろう。