「なんで人を嫌っちゃいけないの?」
「夢ってどこで売ってるの?」
そんな、子どもから聞かれるとドキっとしてしまう質問がある。こうした質問に対して子どもが納得できるよう、分かりやすく説明するのは難しい。では、どのようにすれば子どもに伝わるのだろうか。
『ねえねえ、なんで?』(高島大著、ワニブックス刊)は、人間関係トレーナーの高島大氏が、ドキッとする子どもからの質問の返答を4歳の「なぜなぜ星人」とおとさんによる15のストーリーで紹介している一冊だ。
■「元気が出ない時はどうしたらいい?」
もし4歳の子どもに、「元気が出ない時はどうしたらいい?」と聞かれたらどう答えればいいのか。高島氏は
「人ってな、誰かを励ましていると不思議と元気になるんやわ」と答えている。
落ち込んでいたり、元気がなかったりするときは、意識が自分の内側に向いているものだ。だから、その意識の矢印を外側へと向けてあげることが必要だ。そうなるには、自分が他人を助けること。人が本当の意味で救われるときは、自分が助けられた時ではなく、誰かを助けてあげたときだと著者。
自分が落ち込み気味のこそ、周囲を助けてあげることを意識すれば、気分も上向くはずだ。
■「優しい人ってどんな人?」
続いて、「優しい人ってどんな人?」と聞かれたら何と言えばいいのか。高島氏は優しい人の特徴を3つあげている。
1つ目は「優しさを求めない人」。
本当に優しい人は、優しさを十分に持っている。だから、人に優しさを求めはしない。また、自分の持っている優しさを他の人に与えられる人でもある。
2つ目は「優しくするべき人をまちがえない人」だ。人は同時にすべての人にやさしくすることはできない。誰かに優しさを与えているときは、その一方で誰かに優しさを与えていないときでもある。だから、本当に優しくすべき人を間違えないようにすることが大事だ。
3つ目は「そばにいるだけで優しい気持ちになれる人」。優しさは目に見るものや耳で聞くものだけではない。一言も発さなくても、そばにいるだけで心が優しい気持ちになっていくことを感じることができる。そして、誰かを優しいと感じられるのは、自分の中に「優しさ」があるということでもあるという。
子どもから「なんで?」と質問されるなかには、物事の本質をついたことや大人でも答えの出ないものもある。
もちろんその答えが一つであることはないだろうし、答えが出ないこともあるだろう。でも、大事なのは、大人も一緒になって真剣に考えること。子どもと真摯に向き合い会話することで、子どもと共に大人も成長できるはずだ。
(新刊JP編集部)