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関ジャニ∞の真骨頂は“ワチャワチャ”にあり プラスの連鎖生み出す『関ジャニ∞クロニクル』

2017年01月08日 07:11  リアルサウンド

リアルサウンド

関ジャニ∞

 関ジャニ∞の冠バラエティ番組『関ジャニ∞クロニクル』(フジテレビ系)が面白い。ファンはもちろん、「関ジャニ∞ってどんなグループ?」という人にこそ、オススメしたい番組。なぜなら、この番組は全員で参加するコーナーが充実しているため。一人ひとりの活躍が光る関ジャニ∞だが、7人が集まったときのワチャワチャ感こそ、彼らの真骨頂。お互いが、相手の良さを引き出していく連鎖が止まらない。


(関連:関ジャニ∞はどう進化を遂げた? 『ズッコケ男道』『LIFE~目の前の向こうへ~』などから考察


 特に「いきなりドッジ」は、まるで彼らがルームシェアをしているリビングを覗いているような感覚になるコーナー。通常、テレビ番組のセットはカメラマン側が開かれているが、このコーナーのセットは四方が囲まれた密室状態。普通の家のような作りになっており、そこに16台のカメラが仕込まれている。


 本人たちは、どこから撮られているのかもわからず、台本もないため次に何が起こるのかもわからない。リラックスして話をしていたかと思うと、突然ボールが出現。ドッジボールが始まるのだ。そのボールを誰に当てるのか。当たったメンバーに強いられる罰ゲームとは……そんな毎回予測不能な展開に、7人の素がダダ漏れてしまう。


 また、彼らのいいところはもちろん人間味溢れる部分も愛でる“性格コメント”というツッコミのテロップが秀逸。メンバーの性格を知れるので、初見でもおさらいしながら楽しめる。さらに、ささいなやり取りも見逃さないため、彼らのワチャワチャをもれなく堪能できるのだ。


 1月3日のスペシャル番組『正月からワチャワチャSP』では、まさにワチャワチャな事件のオンパレード。ゲストに俳優の瑛太、関ジャニ∞メンバーと同期である生田斗真を迎えて、30代男子の悪ノリが包み隠さずオンエアされた。


 ボールを持った生田を前に、同期として助け合う横山裕と村上信五。その姿を拍手して褒める安田章大が実に微笑ましい。その一方で、渋谷すばるが「斗真、(弱みを)言うぞ」とチラつかせたり、大倉忠義が錦戸亮を裏切るようなチクリをするなど、徐々に本性が見えてくる。そんな、こう着状態を打破するのが、なぜかこじつけでカモにされる丸山隆平だ。


 こうした遠慮のないやりとりに、男子会のノリはヒートアップ。先ほど、強気にピンチを乗り越えた渋谷も「ゲストを子犬のようにかわいがる」という罰ゲームをするはめに。生田と瑛太を「よしよし」となでながら、大胆に股間を弄る珍プレーを披露し、大爆笑を誘った。


 村上の「あほんだら」とナチュラルに出るコテコテな関西弁や、横山のオーバーリアクションを「全力ナンデス」とイジるテロップに笑い、どんなシチュエーションでも泣ける安田が渋谷と号泣する演技をしてみせた、かと思いきや錦戸がゲッツのギャグで全員を笑わせる罰ゲームがキツ過ぎてガチ泣きしたりと、まさに笑いあり涙あり。終盤、ドローンで運ばれてきたボールを取ろうと、手を伸ばして追いかけるメンバーの姿は、まるで男子小学生のような無邪気さも、1人で出演している番組では見られない素顔ばかりだ。


 他にも名物コーナーとして、スポーツ競技などポーズが取りにくい状況でも、アイドルらしくカメラ目線でキメる「イケメンカメラ目線」がある。決定的瞬間なだけに変顔になることも多く、いつも全員でツッコミ合戦に突入してしまう。さらに、頭上のカメラにドラマ『3年B組金八先生』風にかけよる団体芸も、気に入って何度も披露する。本人たちが何よりも楽しんでいること、それがバラエティの真髄なのかもしれない。


 企画を楽しめる関ジャニ∞のバイタリティ、そして愛のある編集。作り手の“面白い”が、視聴者にも伝わってくる。そんなプラスの連鎖が『関ジャニ∞クロニクル』には感じられる。通常回も、全国ネットで放送されることを願うばかりだ。(佐藤結衣)