バレンティーノ・ロッシは2016年シーズン中、いつものようにリラックスしていなかったとヤマハのクルーチーフ、シルバーノ・ガルブセラが述べている。
ガルブセラは、スーパーバイク世界選手権(SBK)とスーパースポーツ世界選手権(WSS)でヤマハのテクニカルディレクターやクルーチーフとして活躍。トロイ・コーサー、芳賀紀行、カル・クラッチロー、ベン・スピースといったライダーを担当し、09年にはスピースのタイトル獲得に貢献した。
12年から2年間は、BMWモトラッド・モータースポーツに所属していたマルコ・メランドリのクルーチーフを担当。13年からロッシのクルーチーフとしてモビスター・ヤマハに所属している。
ガルブセラは、ロッシが17年シーズンに向けて「気合十分、意欲的で走る準備は整った」状態にあると語ったものの、16年シーズンはまったく異なっていたとガゼッタ・デロ・スポルト紙に明かした。
「2016年、ロッシは何かに気を取られていた。バレンシアテストの結果では安心していたが、普段のようにリラックスしてはいなかったよ」
「ロッシは慎重にならざるを得なかったんだ。マルケスとはどんな小さな事故でも大事になるだろうと分かっていたからね。彼はがんじがらめだったんだ」
16年シーズン、ヤマハよりも競争力が低いと考えられていたホンダでマルケスがチャンピオンを獲得。ガルブセラは、マルケスは今年もっと強くなると考えているようだ。
「ホンダはエレクトロニクスにおいて飛躍を遂げている。ホンダとマルケスの組み合わせはもっとも脅威だ。勝つための組み合わせだよ」
また、ロッシの元チームメイト、ホルヘ・ロレンソがドゥカティ初年度でチャンピオンに挑戦することはないと考えているようだ。
「ホルヘ(・ロレンソ)が加わったドゥカティのレベルがどうなるか分からない。(ホルヘが)とてもいい走りをして勝てるレースもあるだろうね」
「でも、ホルヘがタイトル争いに加わるとは思わないよ」