2017年のダカールラリーは5日、アルゼンチン・フフイ~ボリビア・トゥピザ間521km(SS距離416km)のデイ4が行われ、前日総合5番手につけていたシリル・デプレ(プジョー3008DKR)が総合首位に浮上した。一方、チームメイトのセバスチャン・ローブやカルロス・サインツにはアクシデントが相次いだ。
デイ4のステージはアルゼンチンからボリビアへ入国、山岳部にあるトゥピザを目指す構成。SS距離416kmは今大会ここまでで最長となる。
このステージでは前日、総合トップ3を独占していたプジョー勢にアクシデントが相次いだ。総合首位につけていたローブはSS序盤でコースをロスト。20分以上のタイムを失った。
競技後、ローブは「最初の100kmはナビゲーションが難しかった」と状況を説明した。
「バイクが通った轍を追うことにしたが、それが間違いだった。完璧に道に迷ってしまったよ。(バイクの)轍がさまざまな方向に進んでいたことで、余計に混乱してしまったね」
「ただ、ダメージは最小限に留めたと思う。もっと大きくタイムロスしていても不思議ではなかったよ」
同じくプジョー勢のサインツもステージ序盤で10分位上のタイムロス。加えて、渓谷を走行中にマシンが横転し、そのままスタックするアクシデントも重なり、ステージ制覇はならなかった。
この結果、二輪部門で5度のダカール優勝を飾っているデプレがプジョー加入後、初のステージ優勝。総合でも2番手のペテランセルに対し、4分8秒のギャップをつけて、トップに立ってみせた。
プジョー勢に続く総合3番手にはミッコ・ヒルボネン(ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・ラリー)、総合4番手にはナビゲーションミスがあったローブがつけた。ローブと首位のデプレの差は6分48秒だ。
また、このデイ4ではプジョー勢以外もアクシデントに苦しめられた。ミニ勢のヤジード・アル-ラジ(ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・ラリー)は、前日の競技終了後に高山病と思われる症状が出てしまい、棄権を余儀なくされた。
トヨタ勢は、前日大きなクラッシュを演じ、マシンのリヤ部分を大破したナッサー・アル-アティヤー(トヨタ・ハイラックスEVO)が修復を断念しリタイアを決断しているほか、チームメイトのジニール・ドゥビリエには燃料ポンプ系のトラブルからタイムを伸ばせず。トップと43分49秒差の総合7番手となっている。
市販車部門4連覇を目指すチームランドクルーザー・トヨタオートボデー(TLC)はクリスチャン・ラヴィエル/ジャン-ピエール・ギャルサン組327号車が、この日もクラス首位を維持。総合では23番手につけている。
同じくTLCの三浦昴/ローラン・リシトロイシター組332号車は、327号車から59秒57差のクラス2番手/総合27番手だ。
トラック部門を戦う日野チーム・スガワラ勢は菅原照仁/杉浦博之組516号車が総合14番手。菅原義正/高橋貢組535号車が総合34番手につけた。
二輪部門ではホアン・バレダ(ホンダCRF450ラリー)が総合首位を維持したかに思われたが、競技終了後、許可されていないポイントで給油を行った可能性があるとして累計で1時間のタイムペナルティ。総合13番手まで後退した。なお、ホンダにはペナルティに上訴する権利が与えられている。
代わって総合首位にはパブロ・キンタニヤ(ハスクバーナFR450ラリー)が総合首位を奪取。マティアス・ウォークナー、ステファン・スビィツコ、サム・サンダーランドらKTM勢が総合2~4番手につけた。ホンダ勢最上位は総合5番手のパウロ・ゴンサルベス(ホンダCRF450ラリー)となっている。
現地6日に行われるデイ5では、トゥピザ~オルロ間692kmが行われる。