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免許のない大谷翔平に車とガソリン授与「誰かいります?」、人に譲った場合の税金は?

2017年01月06日 10:52  弁護士ドットコム

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シーズンオフも受賞ラッシュで大忙しのプロ野球、日本ハムファイターズの大谷翔平選手。しかし、副賞の使い道に困っているようだ。


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大谷選手は昨年12月20日、日本プロスポーツ大賞を受賞。さらに、21日には、報知プロスポーツ大賞も受賞した。それぞれ副賞として、三菱自動車から「アウトランダーPHEV」(400万円相当)、シェル石油から「ハイオクガソリンVーPOWER」1000リットルを贈られた。


しかし、大谷選手は免許を持っていない。シーズン中の移動では、チームメートの車に乗せてもらったり、タクシーを利用したりしている。二刀流の練習で忙しいため、免許を取る予定もないそうだ。


副賞の使い道を聞かれ、「誰か乗りますか」「必要な人にあげたい」と答えた大谷選手。仮に誰かにあげた場合、税金はどのようにかかるのだろうか。久乗哲税理士に聞いた。


●プロスポーツ選手がもらった賞品は課税対象

「賞品に対する税金の考え方は、誰がどこからもらったものなのかによって、変わります。


例えば、ノーベル賞の受賞者がノーベル財団からもらう賞金や、オリンピックで金メダルを取った選手に財団法人日本オリンピック委員会から贈られる賞金などは、非課税です」


どういう場合に課税対象になるのか。


「スポーツ選手がその活躍に対してスポンサーなどから受ける賞金は課税の対象になりますが、アマチュアとプロで考え方が異なります。


アマチュアの場合は、『一時所得』として課税されることになります。一方、プロの場合は、事業所得に付随して生じた収入として考えられ、『事業所得』として課税がされることになります。


ここで問題になるのが、所得税の対象となる金額をどのように計算すれば良いのかということです。これについては所得税法基本通達205-9(賞品の評価)に基づき、『通常の小売販売価額(いわゆる現金正価)の60%相当額』とされています」


●大谷選手が副賞を人に譲ったら?

大谷選手がもらった副賞を他人に譲った場合、税金はかかるのか。


「副賞を『無償』で他人に譲る場合は、『贈与』になるので、大谷選手には税金がかかりません。一方、譲り受けた側は、贈与税の対象になりますから、評価額が110万円を超えると贈与税が掛かります。


一方、『有償』で譲る場合、それらが事業用なのか家庭用なのかによって、課税されるかどうかが変わります。


大谷選手は免許を持っておらず、移動する際はタクシーやチームメイトの車を使うということです。副賞の車に乗らないならば『事業用資産』とは言えませんので、他人に譲渡しても課税はされません。一方、仮に事業用資産として車を使っていたとしたら、『総合譲渡所得』として課税されることになります。


賞品に対する課税については、誰が誰に何を支給したのかということが重要になるのです」


【取材協力税理士】


久乗 哲 (くのり・さとし)税理士


税理士法人りたっくす代表社員。税理士。立命館大学院政策科学研究科非常勤講師、立命館大学院経済学研究科客員教授、神戸大学経営学部非常勤講師、立命館大学法学部非常勤講師、大阪経済大学経済学部非常勤講師を経て、立命館大学映像学部非常勤講師。第25回日税研究賞入選。主な著書に『新版検証納税者勝訴の判決』(共著)等がある。


事務所名 :税理士法人りたっくす


事務所URL:http://rita-x.tkcnf.com/pc/


(弁護士ドットコムニュース)