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児童虐待は「他人事でない」と感じる女性が7割 孤独を抱える母親たちのサポート強化が必要だ

2017年01月06日 06:41  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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昨年11月、厚生労働省は児童虐待防止推進月間を掲げていた。これを踏まえ、妊娠・出産・育児情報サイト「ベビカム」において、児童虐待についてのアンケートを実施していた。今回はちょっと、その結果の一部をご紹介させていただきたい。

このアンケート調査は、昨年11月に、現在妊活・妊娠・育児中の女性678人を対象に行われたもの。12月26日に結果が発表された。(文:松本ミゾレ)

6割が「虐待とまではいかなくても、子どもに当たってしまった経験はあり」

「児童虐待のニュースを見聞きして、他人事ではないと感じたことがありますか?」という質問に対して「はい」が484人。全体の71%と、過半数を占めていたことがわかった。

わが子に手を上げるなんてありえない! そう強く言い切れる女性は、貴重ということだろう。しかし、多くの女性は、児童虐待が自分に全く関係「ない」と言い切れないと感じているようだ。

また「育児でストレスを感じたとき、虐待とまではいかなくても、子どもに当たってしまった経験はありますか?」という質問もある。これに、子どものいる女性583人中366人が「はい」と答えていた。全体の63%にあたるものであり、なかなか深刻な数字と考えていいだろう。

さらに、「何が、児童虐待の原因になっていると感じますか?(複数回答)」という質問に対して、もっとも多かったのは「周囲に相談相手、頼れる存在がいない」が66%となっていた。育児をする上で悩みを相談できる相手というのは欲しいもの。しかし核家族化が進み、近隣との付き合いも減少した現在では、なかなか難しいことも多い。

ついで多かったのが「家庭環境」で、61%となっている。育児に専念できないような状態では、ついつい児童虐待に走ってしまうのではないかという不安を抱える女性は多いようだ。

また、現に環境が整っていないうちに出産、育児をしたことで虐待をしてしまい、ニュースで取り上げられる母親というのもいる。こういう報道を見るにつけ、さらに不安になることもあるのかも知れない。

「全責任を1人で負わなければいけない環境で、ものすごく圧迫感を感じている」

このアンケートでは、児童虐待について、当事者になってしまわないかと危惧する女性たちの声も紹介されていたので、こちらからもいくつか引用してご紹介したい。

「虐待したくて産んだ人はほとんどいないと思うので、もっと周りの人の理解や支えが必要だと思うし、それが難しい人のために、もっと行政が子育て世代をサポートしてあげるべきです」 「私自身もパートナーも、実家、義実家のサポートがなければ、もしかしたらストレスで児童虐待もしかねないと思います」 「もっと、昔みたいに近所付き合いが大切なのかなと思います。地域などで、子どもを守る活動があるといいなと思います」 「現代の母親たちは、孤独に子育てをしなければならない、また子どもに関しての全責任を1人で負わなければいけない環境で、ものすごく圧迫感を感じていると思います」

やはり、周囲のサポートが重要と考えている人が多いようだ。今の時代、人間関係は縦ばかり重視されていて、横がおざなりにされている。それが時代の流れなのかもしれないけど、横のつながりの中には育児においてはプラスとなる関係も少なくない。

だとすれば対案として、手厚いサポートをせめて現実的な価格で利用できるサービスや制度でもあれば、もっと安心して子育てができるんだけど……。虐待するかもしれないという不安を背負わず、誰もが子育てに臨める日本になって欲しい。

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