トップへ

アジア唯一の「デヴィッド・ボウイ展」マックイーンら豪華デザイナーによる衣装も一挙公開

2017年01月05日 19:03  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

ステージ衣装も見どころ Image by: FASHIONSNAP
昨年1月に癌のため死去した歌手のデヴィッド・ボウイ(David Bowie)の大回顧展「DAVID BOWIE is」が、1月8日に寺田倉庫G1ビルでスタートする。7万5,000点に及ぶアーカイブの所蔵品から厳選された写真や映像のほか、手書きの歌詞や楽器、私物など300点以上が集結。衣装ではアレキサンダー・マックイーンや山本寛斎ら著名デザイナーが手がけた作品がそろい、性差を超えたボウイならではのデザインを一挙公開する。

「デヴィッド・ボウイ展」が開幕の画像を拡大

 「DAVID BOWIE is」はロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(以下、V&A)がキュレーションを務め、アメリカやフランス、ブラジルなど世界9都市を巡回。V&Aでは史上最多となる32万人を動員し、これまでの総動員数は160万人を突破。日本での開催は10カ国目で、アジアでは唯一の開催となる。
 会場では、来場者一人ひとりにヘッドホンを配り、ファッションや音楽、デザイン、演劇、アート、フィルムなど各カテゴリーの展示に対応した音楽やボウイによる語り、関係者のインタビュー音声を自動で再生する体験型の展覧会を展開。終盤では壁一面の巨大モニターでリアルに体感できるライブ映像コーナー「ショウ・モーメント」を用意する。ファッションでは、当時美術学校を卒業したばかりのアレキサンダー・マックイーンと制作したユニオンジャックのコートをはじめ、山本寛斎による「アラジン・セイン」ツアーの衣装、フレディ・バレッティが手がけた「ジギー・スターダスト」のジャンプスーツのほか、三宅一生や「セリーヌ(CÉLINE)」のフィービー・ファイロ、「サン ローラン(SAINT LAURENT)」元クリエーティブディレクターのエディ・スリマンがデザインしたスーツなどを豊富に展示。「ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)」のイヤリングや「キャサリン・ハムネット(KATHARINE HAMNETT)」のキトゥン・ヒールといった女性用のアイテムも紹介し、常にファッションの境界線を広げていたことを印象付ける展示内容になっている。ボウイは日本文化からインスピレーションを受けることが多く、会場では山本寛斎や「ヒーローズ」のジャケットを撮影した写真家の鋤田正義ら日本人クリエーターとのコラボレーション作品に加えて、ボウイ自らが描いた三島由紀夫の肖像画やレコーディングに使ったミニ琴なども公開。また日本限定展示として、ボウイが出演した映画「戦場のメリークリスマス」の共演者である北野武や坂本龍一の撮り下ろしインタビュー映像を特別上映する。
 開幕に先駆けて、キュレーターのヴィクトリア・ブロークスとジェフリー・マーシュが来日し、1月5日に会見を開催。各国で好評を得ているなか、年長者の間でボウイの記憶が未だに残っていること、ボウイを知らない若い世代にも関心を持ってもらえていること、そしてボウイが実現しようとしてきた世界がどの国でも伝わっていることに驚いているという。マーシュは「ディヴィ・ジョーンズ(本名)の頃から(音楽からファッション、デザインまで)すべてにわたって自身で実証しながら、ここにある"デヴィッド・ボウイ"としてのキャラクターを記録に残してきた」とアーティストとして形成されていくプロセスを展覧会の見どころだと話した。
 同日はボウイに縁のあるクリエーターや芸能人が来場。同展覧会のオフィシャルサポーターを務めている女優の二階堂ふみは、自身の"憧れの男性"であるボウイを「引き出しがたくさんある。引けば引くほど魅力が溢れ出る」と例え、衣装を生で見られたことに感動したという。山本寛斎も取材に対応し、展覧会について「すっかり身内気分なので甘いのかもしれないが、極めてよくできている」と評価。V&Aの動員数で新記録を打ち立てたことを引き合いに「日本でも従来の意識を破ってアグレッシブに表現していくことが大事」と提言した。このほか、鋤田正義や桃井かおり、栗原類、スタイリストの高橋靖子、Mappyらが来場し、展示を楽しんだ。
■「DAVID BOWIE is」会期:2017年1月8日(日)~4月9日(日)会場:寺田倉庫G1ビル(東京都品川区東品川二丁目6番10号)開催時間:火・水・木・日・祝 10:00~20:00(最終入場19:00)     金 10:00~21:00(最終入場20:00)休館日:毎週月曜日(ただし1/9、3/20、3/27、4/3は除く)
チケットなどの詳細(公式サイト)