世界ツーリングカー選手権(WTCC)のプロモーターを務めるユーロスポーツ・イベントのフランソワ・リベイロ代表は、2017年に昨今人気を集めるTCR規定を採用した『WTCC-2』を発足させたあとも、ホンダやボルボがしのぎを削るTC1規定マシンがシリーズのトップカテゴリーであるとの認識を示した。
昨年11月に行われた世界モータースポーツ評議会(WMSC)で発足することが明らかになったWTCC-2クラス。ボルボやホンダなどが争うTC1規定の下位カテゴリとして設定され、参戦マシンは安価なコストと独自の性能調整などから、世界中で人気を博しているTCR規定車両だ。
このWTCC-2クラス発足の背景には、ラーダのシリーズ撤退によりTC1車両の参戦台数が減少することがあるのではと噂されている。
WTCCのスポーティングレギュレーション第15条には「参戦台数が16台未満である場合、選手権がキャンセルされる可能性がある」と記載されており、17年はラーダの撤退でエントリー台数が16台に満たない可能性も出てきているというのだ。
しかし、リベイロはWTCC-2発足は高騰しつつあるTC1車両の開発/運用コスト対策であるとコメント。また、TC1マシンがシリーズのトップクラスとして留まり続けるとの認識を示した。
「WTCCに参戦するチームやドライバーがTC1マシンを開発、運用するため、資金面で問題を抱え始めていると認識している」とリベイロ。
「WTCC-2クラス導入後も、ツーリングカーレースの頂点は依然としてWTCCであることは間違いない」
「しかし、参戦を計画する者にとってWTCC-2は世界中を転戦しながら、自らの才能をみせつけ、FIAトロフィーを争える最高のプラットフォームになるだろう」
「また、TCR規定車両は厳格な制限が課されていることから、コスト面でも新規参入や継続した活動を行いやすい環境になると思っているよ」
「加えて、WTCC-2クラスに参戦する人々は、WTCCと(運営する)ユーロスポーツが培ってきた世界選手権としての地位やメディア戦略から、多くの恩恵を得るだろう」