マクラーレン・ホンダは2016年に改善を見せたものの、ホンダのF1プロジェクト総責任者である長谷川祐介氏は、同社はもっと良い成果を上げることを期待していたという。
F1に復帰した2015年シーズン、ホンダのパワーユニットはチームの弱点といわれていたが、2016年にパワーと信頼性の両面で確実な進歩を見せた。
それもあって、2015年にコンストラクターズ選手権9位だったマクラーレンは2016年には49ポイント多く獲得し、6位に順位を上げた。しかし長谷川総責任者は、もっといい結果を期待していたという。
「(2015年は)明らかにひどいものでしたが、最初の年であり、すべての準備を行わなければなりませんでした」と長谷川総責任者。
「当然のことながら、乗り越える必要のある段階だったので、そういう意味で進歩するのは当然のことです」
「それでも私はもう少し上の実績を期待していました。もう少しうまくやれると思っていました」
長谷川総責任者は、ライバルチームのいくつかを過小評価していたことを認め、「フォース・インディアとハースがあんなにいいマシンを作ってくるとは思わなかった」と述べている。
一方、長谷川氏は、いまや信頼性がホンダの強みであると指摘、そのおかげでパフォーマンスを探求することに焦点を置くことができると語った。
2015年、フェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンはシーズンを通して23基のパワーユニットを使用した。一方、メルセデスのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのふたりが使用したのは8基だった。
合計するとマクラーレンでは109のコンポーネントが必要になり、規定数を超えたために重いペナルティを受けることになった。メルセデスはふたりのドライバーで合計48コンポーネントの使用に収まった。
しかし2016年シーズン、アロンソとバトンは14基のパワーユニットを使用し、コンポーネントの数もふたり合わせて83にまで減らすことができた。
「一番大きな改善点は信頼性です。そのおかげでほとんどのグランプリで、いいプラクティスを過ごし、走行時間をうまく活用することができました」と長谷川総責任者。
「まだいくつか課題はありますが、大抵の場合、週末のプログラムを非常にうまくこなすことができ、それによって自分たちのパフォーマンスを理解することができました」
長谷川氏は信頼性に関わるリスクはできるだけ避ける方向でやってきたと明かした。
「私はパワーユニットを信頼性の範囲内で稼働させています。その範囲を超えるようなことは一切行いません」
「もし耐用距離が4,000kmだったら、4,000kmを超えさせません。信頼性(が確保されている範囲)を超えてプッシュすることはないでしょう」