SNSについて、面白い調査データがある。人材サービスのVSNが、昨年12月に、全国の10~20代までの男女2715名を対象に「10代・20代のSNS利用実態調査」というインターネットリサーチ結果を発表した。
調査は先月、約2700人を対象にネット上で実施。この中に「一度でも批判を受けそうなSNSへの投稿を行ったことがあるか」という質問があった。
批判を受けそうな投稿というのは、たとえば特定個人への中傷であるとか、別のSNSユーザーとの口論、不謹慎なコメントや、モラルに反する画像のアップということだろう。 どれもたしかに他人に嫌な思いをさせるもの。この質問に、10代、20代の男女はどう答えたのだろうか。(文:松本ミゾレ)
無意識に批判を受けそうな投稿をしてしまうよりかはまし
この質問に、SNS上で批判を受けそうな投稿をした経験が「ある」との回答は、男性が31%。女性の場合は19.3%となった。平均して24.7%。およそ4人に1人だ。
これが多いか少ないかはさておき、本人が「これは批判を受けそうだな」と思いつつ投稿している時点で、実によくできた若者たちだと思う。
だってそうだろう。若い人でも年寄りでも、本当に問題なのは、投稿する内容が批判を受けるかどうかすら考えていないで、自分の尺度が正しいと感じている人物だ。この約25%の人たちは、少なくとも無意識に批判を浴びるような投稿をして自滅するような人種ではないということだ。
SNSの利用目的は、人によって様々だ。出かけた際に見かけたもの、食べたものをアップするのが目的だったり、交際中の恋人と仲睦まじい様子を見せ付けるのが目的だったり。
その中で不謹慎だったり、誰かに喧嘩を売ったりしているような投稿があろうと、そもそもSNSなんて誰でも無料でスタートできる交換日記のようなものだから、それも一つの使い方だ。
個人的には、当たり障りのないSNSユーザーよりも、尖った発言をしている人の方が僕は好きではある。
一番問題なのは不謹慎投稿より、デマ拡散ツールになっているところでは?
ただ、不謹慎な投稿はたしかに批判を受けるけど、しょせん不謹慎止まりであり、社会を騒がせることもない。それより問題なのは、デマニュースを流したり、それをまた「やばい」とか言いながら拡散してしまったりしている人々だ。
災害が発生する度、悪意の塊のようなネットユーザーが、しばしば嘘の情報を流す。するとそれをソース確認もせず信じてしまった大勢のSNSユーザーが、一斉に拡散する。
それをマスコミに見つけられ、「こういうのは嘘の可能性があるから、SNSだけを見て信じないようにしてください」と注意をする。この流れ、何遍繰り返しても、全く改善されない。
僕もSNSの使い方はかなり粗いが、その理由は現在のSNSが、いわゆるデマ拡散ツールになってしまっているからだ。そんな場所で清く正しく美しい発言をしたところで意味はない。しかもどんな綺麗な言葉を並べたところで、一銭の稼ぎにもならない。身を入れてやる理由がどこにもない。
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