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勘九郎×七之助『赤坂大歌舞伎』第5弾は初の新作、蓬莱竜太が歌舞伎に挑戦

2017年01月04日 12:41  CINRA.NET

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左から中村七之助、中村勘九郎
新作歌舞伎『夢幻恋双紙 赤目の転生』が4月に東京・TBS赤坂ACTシアターで上演される。

同公演は、「芸能の街・赤坂で歌舞伎を!」という十八代目中村勘三郎の言葉によって2008年からスタートした公演シリーズ『赤坂大歌舞伎』の第5弾。『赤坂大歌舞伎』は十八代目中村勘三郎亡き後も息子の中村勘九郎、中村七之助を中心に展開されており、今回は同シリーズ初の新作歌舞伎を上演する。

作・演出を手掛けるのは歌舞伎に初挑戦する蓬莱竜太(モダンスイマーズ)。気が弱く冴えない男とその妻の物語を描く。男役を勘九郎、妻役を七之助が演じる。チケットは2月中旬から販売される予定。

■中村勘九郎のコメント
TBS赤坂ACTシアターは、歌舞伎座と同じ演出のまま上演できる劇場で、そんな劇場はなかなかありません。今回のような新しい試みもできるし、また歌舞伎ならではの演出もでき、チャレンジできる場所だと思っています。
(新作で作・演出を勤める)蓬莱竜太さんとは、お互いの芝居を観に行く仲で、家族ぐるみで付き合っています。自分と同年代の若い劇作家さんですが、本当に面白い作品が多く、一度歌舞伎を書いて欲しい!と思っていたので、夢が叶って嬉しいです。この新作の「夢幻恋双紙 赤目の転生」は、どんでん返しに次ぐ、どんでん返しの凄い話です(笑)
歌舞伎ならではのファンタジーさを蓬莱さんが組み込んで書いてくださると思うので、お客様にはそこを期待して観に来ていただきたいですね。

■中村七之助のコメント
赤坂大歌舞伎は、私たちの中で思い描いていたことが次々と実現できている場所です。
2013年赤坂大歌舞伎で「怪談乳房榎」を上演したことがきっかけで、ニューヨーク公演も実現しましたし、前回の
「お染の七役」では、取材などで、そろそろ新作を…と話していたら、本当に今回は新作になりました。有言実行です(笑)
蓬莱さんは、兄が信頼している劇作家さんで、この新作は人間の「愛」のお話になると思います。タイトルにも入っている「転生」をどうやって演出するのか、歌舞伎でどうやって表現するのか、興味津々です。
赤坂は、町ぐるみで応援してくださる、あたたかい街です。赤坂大歌舞伎は、初めて歌舞伎に足を運んでいただけるお客様も多くて、今回のように新しい挑戦もできるし、「お染の七役」のような古典もできます。これからも大切にしたい場所ですね。

■蓬莱竜太のコメント
・歌舞伎に初挑戦する意気込み
現代劇しかつくったこのない自分が、歌舞伎に参加出来ることは非常に光栄なことだと思っています。同時に右も左もわからない世界なのでとても緊張しています。自分の力を出し切りたいです。

・『赤坂大歌舞伎』で作・演出を務めることになった経緯
以前から勘九郎さんに「歌舞伎を書いてほしい」と言われておりまして、本気で言っているのか冗談なのかわからなかったのですが、この度正式に依頼されまして本気だったと判明しました。

・中村勘九郎、中村七之助の印象
客席から観る勘九郎さんは普段より大きく見えます。とにかく凄いとしか言いようがない。七之助さんからは「艶」を感じまくります。最近の二人は風格と貫禄が備わってきて、口をきくのもおっかない存在です。

・『夢幻恋双紙 赤目の転生』の物語について
勘九郎さん演じる「太郎」が七之助さん演じる「歌子」をなかなか幸せに出来なくて、何度も違う人格になって人生をやり直すことになるという奇妙な物語です。同じ「太郎」なのですが、人格は全然違うのである意味何役も演じるのと一緒です。色んな勘九郎さんを観られるのでお得です。