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デートは居酒屋?恋だけじゃない、ロボットバトルだって繰り広げる 乙女ゲーム座談会-後編-

2017年01月03日 16:52  アニメ!アニメ!

アニメ!アニメ!

デートは居酒屋?恋だけじゃない、ロボットバトルだって繰り広げる 乙女ゲーム座談会-後編-
「乙女ゲーム」とは、男性キャラクターとの恋愛シミュレーションを楽しむ女性向けのゲーム。近年はテレビアニメ化や舞台化などメディアミックス展開も多く、注目を集めている。
年末年始特別企画ということで、乙女ゲームを愛するアニメ!アニメ!編集部のタカロク、ライターのまいたこ、こんたの3人で座談会を行った。前編に続き、2016年に発売したタイトルや、2017年に発売予定のゲームについて語った。
[取材・構成:タカロク]

※座談会実施日は12月中旬のため、その時未発売のゲームについては触れていません。

■ 「Code:Realize」「薄桜鬼」その人気の秘密とは?

タカロク
2016年は新規タイトルはもちろんですけど、ファンディスクも色々発売されました。

まいたこ
今年出たファンディスクの中では『Code:Realize』がよかったな。あと『NORN9』、『ゆのはなSpRING!』も。『ゆのはなSpRING!』は朝ドラみたいなあったかい感じなので、乙女ゲーデビューにもいいと思います。

こんた
『Code:Realize』が好まれているのは、仲間との絆が描かれていて、攻略キャラクターのルートにいても他のキャラクターを大事に思っている描写があるからかなって思いますね。

タカロク
たしかにシナリオでは仲間と協力して…っていうチームの一体感がありますね。でもなんといってもカルディアちゃんでしょう!(笑)

こんた
カルディアちゃんが幸せになるためだったら私は何でもするぞって(笑)

タカロク
彼女のキャラクター性はすごいですよね。攻略対象がルパン、フラン(フランケンシュタイン)、ヴァン・ヘルシングって中で、一番キャラが濃いのが主人公っていう…。FDのパッケージをはっているのを見て、やっぱり支持されてるんだなって思いました。

こんた
『Code:Realize』は主人公の過去のストーリーもちゃんと描かれてますからね。そしてそれがキーになっている。乙女ゲーの主人公って自己投影も兼ねてるので、あまり個性の強すぎるのは…っていうのがあったと思うんですが、これに関しては、ストーリーとしてちゃんと主人公が描かれています。そういうのも好まれるようになってきたのかなって。

まいたこ
あと背景が綺麗でした!そういうところにもリソースが割けるようになったんだなって思いますね。背景も見せるスチル、みたいなのが増えている気がします。恋愛の構図って、見つめ合ったり寄り添ったり、同じ感じじゃないですか。その中で、恋愛じゃないスチルも増えていて、ユーザーの印象に残りやすい。

こんた
PSVitaになって見せ方がよくなったのもありますよね。

タカロク
確かに、絵が綺麗に見える分手が抜けなくなったっていうのもあるかもしれませんね。NowLoadingもほとんどないですし…黒い画面に自分が見えるとすごいテンション下がるんで、その苦しさから解放されたのは良かったです(笑)


まいたこ
乙女ゲームは今ほとんどVitaで発売してますけど、過去作の移植も増えましたよね。

タカロク
移植ではないですが、『薄桜鬼』が新たに2本立てで出ましたね。攻略対象が6人も増えて…個人的に山南さんをどうやったら幸せにできるかをずっと考えていたので、まさか10年経て攻略対象になるとは思いませんでした。声を担当している飛田さんは『アンジェリーク』もリュミエール役で出てるんですが、この一年乙女ゲームで2回も攻略できるとは…(涙)

こんた
移植ってそういうのもありますよね。今までスポットあてられなかったメンバーにファンがエールを送り続けたからこそ報われる、みたいな。

まいたこ
攻略キャラ追加って、プレイヤーとしては大きなインパクトがありますからね。あと『薄桜鬼』が発売した当時、女の子ってあまり歴史ものに興味を持ってなかった。今は歴女とかいますけど、『刀剣乱舞』とか好きな人はぜひ『薄桜鬼』もやってほしいですね。

タカロク
歴史もの乙女ゲームの入門編ですよね。それにしてはヘビーな内容ですが…誰も死なない学園ものもありますので!

(次ページ:2016年のオトメイトの挑戦)

■ 「Collar×Malice」「悠久のティアブレイド」2016年のオトメイトは挑戦的だった

まいたこ
オトメイトさんは、今年『ニル・アドミラリの天秤』から始まって、『ピリオドキューブ ~鳥籠のアマデウス~』、『鏡界の白雪』、『7’scarlet』…メディアミックスしているタイトルがあるにも関わらず、こんなに新作が出ているのは印象的でしたね。

タカロク
お二人がおすすめという『Collar×Malice』についてはどうですか?

まいたこ
何も言うことないです!刑事ものって、乙女ゲーでうけるコンセプトではないんですが、今までのタイトルで切り開いた「攻略キャラが死んでもいい」っていう血なまぐさいものへの女性ユーザーの耐性ができたからこそ、できた作品かなって思います。

こんた
あと警察官っていう設定で20歳超えているのでお酒とかも飲めるし、同僚と居酒屋で喋ったり…大人っぽい演出もあって、それがよかったです。

まいたこ
乙女ゲームでデートが居酒屋ってなかなかないですよね!オシャレなカフェに1回も行かなかった。

こんた
残業とかもして、仕事の苦労とかももあって共感できて…恋愛も大人の要素があって、満足度が高かったです。

まいたこ
おまけコンテンツも充実してますよね。ボイスレコーダーとか、おまけイベントとか。コンテンツを終わったあとも楽しめるよっていう。ずっと手元に置いておきたいゲームです。

こんた
で、UIがすごくいい!SEもすごくいい!SEの良い乙女ゲーは絶対良いゲームなんです…!アドベンチャーで絶対必要なのは没入感じゃないですか。そこでSEに凝ってて作品に浸からせてもらえるって重要なんです。SEがダメだと、冷めちゃいます。

タカロク
分かります!SEが合わなかったり、他ゲームと同じSE使ってると我に返るので…こだわってほしいですところですね。

こんた
お二人のおすすめ『悠久のティアブレイド-Lost Chronicle-』はどうでした?

まいたこ
このゲームは2つ新しい面があって、1つはロボットものであるということ。ロボット自体はそんなに動かないですけど、ロボットバトルが恋愛より多いのが印象的。あとは世界観ですね。SFものによくある、長い年月を経た歴史観。壮大さがすごく出てて、乙女ゲーではあまり見ないタイプです。あと、ナノマシーンとか、近未来的なガジェットがよく出てくる。

タカロク
確かにSF要素が強く濃いストーリーなので、「恋愛要素もあるよ」くらいの感覚で楽しむといいと思います。
にしてもこのロボットはアニメに出てもおかしくないぐらいビジュアルがかっこいいんですよね。最初見た時びっくりしました。しかも名前呼ぶと飛んでくるんですよ。こんなシチュエーションアニメでしか見たことない!熱いな!って。

こんた
それは乙女ゲーとしては挑戦してますね!


■ 2017年の発売タイトル、その先への期待

タカロク
色々とここまで話してきましたが、来年のタイトルも色々発表されてます。まずお二人も気になるという『Side Kicks!』はビジュアルといいキャストといい、楽しみですね!

まいたこ
私的にはキャラクターデザインのすめらぎ琥珀先生ごり推しです。あと『遙かなる時空の中で3 Ultimate』!移植ですが、「Ultimate」というあんまり乙女ゲーで聞かないタイトルがついてるのが…(笑)

こんた
『遙かなる時空の中で3』の次が『無双スターズ』に『遙かなる時空の中で6』のダリウスと有馬が出るという…。

タカロク
どちらも超楽しみですよ!特にフルボイスは待ってましたので!

まいたこ
来年はPC版から『オルフレール』がきて、アプリから『イケメン戦国』がきて、アニメから『おそ松さん』がくるっていう…『KLAP!!』もFDが出ますね。あと『ワンド オブ フォーチュン』。

タカロク
『三国恋戦記』も新作が出ますし、移植では『うたの☆プリンスさまっ♪Repeat LOVE』…大作多いですね。あと個人的にはアプリの『ダンストリップス』が気になりますね。津田健次郎さんプロデュースという珍しい取り組み。

まいたこ
最初攻略対象を全員津田健次郎さんがやってくれると思ってました。でも違って、しゅんってなった記憶があります(笑)あとはレベルファイブから『オトメ勇者』も発表されました。

こんた
アプリだったら『戦刻ナイトブラッド』もですね。最近活発になってきたから、本格的に動き出すのかなって。

タカロク
今の時点でこんなに…来年も素敵な乙女ゲーライフが過ごせそうですね。
では最後に、こんな乙女ゲーが出てほしい!といった願望があればぜひ…私は低音ボイスの声優さんオンリーの乙女ゲーがあったらいいなぁと最近思います。あとシナリオが重厚な泣きゲーをやりたいです。乙女ゲームって泣きゲーが確立されてるようでされてないので。もういっそ自分で作るしかないのか…(笑)

まいたこ
私はおじさん好きなので、ドラマCDなどでは発売されていますがおじさま専門の乙女ゲームがプレイしたいですね。他にも特定のジャンルを集めた……例えばおネエ系やショタっ子大集合といったとがったコンセプトの作品をやってみたいですね。

こんた
乙女ゲームの主人公を攻略できるギャルゲーをください!!という本気の妄言はさておき、ちょっとしたアクションとかコマンド入力とか、ゲームならではの操作が加わるような展開があると嬉しいですね。それと一般的なゲームみたいに、乙女ゲームももっとディレクターをはじめ、開発陣が詳しく分かるようになると「この人だから買う!」というのができて良いなと思います。

タカロク
お二人ともすごく納得のご意見…主人公たちを攻略できるギャルゲーができたら叔父は卒業しないといけませんね。出してもいいんですよメーカーさん!
本日はありがとうございました!