ホンダのチーム代表リビオ・スッポと、ヤマハのチーム代表リン・ジャービスは、2016年シーズンを振り返ると共通ECUの導入は正しい選択だったと述べた。
2016年、MotoGPマシンのECUはファクトリーが開発したソフトウエアから、マニエッティ・マレリ製のものに置き換えられた。ホンダは2013年にこの措置に反対しており、MotoGP撤退も辞さない姿勢を見せていた。
マルク・マルケスのタイトル獲得にも関わらず、ホンダは新しいシステムとエンジンの組み合わせに苦戦し、加速の問題に対処しなければならなかった。一方でドゥカティは2010年以来、スズキは2007年以来となる優勝を飾った。
スッポは新しいシステムとミシュランタイヤの復活の組み合わせが功を奏したと語っている。
「一般的な観点から言えば、2016年シーズンはKTMの参戦が決まったように、より多くのマニュファクチャラーに入口が開かれた」とスッポ。
「2016年のスズキのパフォーマンスははるかに改善された。チャンピオンシップに向けてとても良い流れにあると思える」
「ホンダにとっては初めは厳しかったが、概して良いシーズンだったと言える」
「ミシュランは良い仕事をしてくれた。7年の空白を経て戻ってきて、すぐに競争力を発揮するのは簡単ではない。我々はカタールでは2015年シーズンよりも速かった」
「もちろん何回か浮き沈みはあったが、正直、文句をつけるのは難しい」
ヤマハとドゥカティは共通ECUをうまく扱って2016年シーズンをスタートさせたが、バレンティーノ・ロッシはヤマハにはこの1年を通して他のマニュファクチャラーと同等の進展がなかったと感じているようだ。
ジャービスはスッポの見方に賛成し、変革はチャンピオンシップに良い影響を及ぼし、強豪マニュファクチャラーが握っていたアドバンテージを崩したと語った。
「今シーズン、これほど多くの異なった優勝者が出たことは、とてもポジティブなことだと私は思う」とジャービスは次のように振り返った。
「過去にはホンダやヤマハ、ドゥカティといったエリートチームしかなかったが、今では一部のサテライトチームも勝利を飾るようになった。今年は何年かぶりにドゥカティが2回優勝したのを目にしたよ」
「このスポーツ全体にとって、変化することはとてもポジティブなことだと認められるべきだ」
「マニュファクチャラーの我々にとっては、純粋に利己的で技術的な観点からすれば、不利かもしれない」
「だが、今日は技術的な観点からだけではなく、このスポーツの発展を促進するポジティブな理由でここにいるのだ」