メルセデスF1チームの代表トト・ウォルフは、ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグの間に強いライバル意識があることを受け入れることが、両者の関係性を管理する鍵だったと述べた。
ハミルトンとロズベルグはタッグを組んだ4シーズンで計54勝を記録。またハミルトンは2回、ロズベルグは1回、ワールドチャンピオンに輝いている。
両者には度々、物議を醸す接触などがあったにもかかわらず、チームは互いの対立状態をコントロールしてきた。
ロズベルグによる突然のF1引退発表前、ウォルフはインタビューに応じ、チームがふたりの関係性をどのように扱ってきたのかを語っている。
「我々は4年間、ふたりのベストドライバーと仕事をしながら、チームの団結を維持することができた」とウォルフ。
「これまで、ふたりのスーパースターがひとつのチームに揃うと、その関係性は1~2年で破綻してしまうものだった」
「我々にも取りなすのが難しい瞬間や、(争いの発端になりそうな)ちょっとした出来事はあった。しかし、根本ではチームとしてまとまることができていたんだ」
「(ハミルトンとロズベルグの間に)強いライバル意識があることを認めることが重要で、チームとしても、それを意識してきた」
「ただし、そこまで過剰にコントロールする必要はなかった。ふたりは(勝利するために)多くのスタッフが努力していることを認識していたからね」
また、ハミルトンとロズベルグの協力関係を維持する上で起きた失敗からも学ぶことがあったという。
ウォルフは透明性を維持することが、このコンビがうまくやっていくことに重要な役割を果たしたと強調。「自分や他人の過ちから学ぶことが必要だ」と述べている。
「我々はドライバーとパートナーシップを築くことに時間を費やしたが、そのために透明性を維持することは重要な要素のひとつだった」
「我々には“隠された計画”のようなものは存在しない。すべて公にした上で話し合いを進めてきたんだ」
一方で、ウォルフはふたりのパフォーマンスに波があったことについて、説明がつかなかったと言い、「判別することを諦めた」とコメントしている。
「ある週末に、どちらか一方は成績が良く、もうひとりは思うような結果を残せないというのは、結局マシンに乗っているのがひとりの人間だからだろう。それが史上最高のドライバーだとしてもね」
「彼らにも(調子が)良い日もあれば悪い日もある。コースコンディションがマッチしていなかったのかもしれない。こういった要素が合わさって、成績のムラに繋がっているのだろう」
「特定のパターンのようなものはなかった。ニコが8勝したときもあれば、ルイスが連勝し続けたときもあるし、こういった状況が交互に訪れたこともある」
「科学的に説明をするのは不可能なんだ。だから、分析するのはやめておこう」