ドゥカティにとって、2017年シーズンに向けてアンドレア・イアンノーネを手放し、3度のMotoGPチャンピオンであるホルヘ・ロレンソを迎え入れるのは難しい決断だったという。
ロレンソは4月に2016年シーズン終了とともにヤマハからドゥカティに移籍することを発表した。そして、ドゥカティはアンドレア・ドビジオーゾとイアンノーネのどちらかをロレンソのチームメイトとして選ばなければならなくなった。
「チームにふたりの速いライダーがいると、どちらを手放すか簡単には判断できない」とドゥカティのスポーツディレクターのパオロ・シアバッティは次のように述べた。
「イアンノーネもドビジオーゾも2013年から我々と仕事をしてきた。困難な時期を一緒に乗り越えてきたし、ドゥカティとルイジ(・ダリーニャ)がより良いバイクを作るのに力を貸してくれた。今ではとても競争力のあるバイクに仕上がったと思う」
「結局は難しい選択をしなければならなかったと言ったが、人生ではそうした選択をしなければならないものだ。だから我々はアンドレア・ドビジオーゾを残すという選択をした」
「トビジオーゾとロレンソは将来いいチームメイトになると思う。イアンノーネが去ることは正直残念だ。イアンノーネはオーストリアGPで6年ぶりの優勝を飾ったのだから」
「イアンノーネはスズキでも非常に競争力のあるライダーになるだろう。我々にとって最強のライバルのひとりとなってしまうわけだが、これも人生だ」
イアンノーネは2013年にMotoGPデビューを飾り、ドビジオーゾのいるファクトリーチームに移る前はサテライトチームのプラマックで2シーズンを過ごした。2016年シーズンをランキング9位で終え、5位のドビジオーゾには59ポイント及ばなかったが、4戦は怪我で欠場している。
ドゥカティのゼネラルマネージャー、ダリーニャもイアンノーネに敬意を表した。イアンノーネはドゥカティでの2シーズンで7回表彰台を獲得し、ドゥカティでの最後のレースとなった11月のバレンシアGPでも3位で表彰台に立った。
「イアンノーネと私は互いにとても良好な関係にあった」とダリーニャ。
「イアンノーネに感謝の気持ちを述べたい。彼は素晴らしいレースを(バレンシアで)したし、彼はドゥカティのマシンに心を込めて乗ってくれた。それはとても重要なことだと思う」
「我々は4年にわたって彼と仕事をしてきたが、ドゥカティの向上は彼のおかげでもある。彼に感謝するとともに、将来の幸運を祈っているよ」