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SUPER★DRAGONが久々の再会で見せた絆 「『9人でチームだ』と改めて感じた」

2016年12月29日 17:41  リアルサウンド

リアルサウンド

SUPER★DRAGON

 今年11月にデビュー・シングル『Pendulum Beat!』を発表し、結成から約1年を迎える2017年1月18日には現在までのベスト盤的なデビュー・フルアルバム『1st Impact』のリリースを控える9人組ダンス&ボーカルグループ、SUPER★DRAGON。彼らのフリーライブが12月24日、ダイバーシティ東京プラザ・フェスティバル広場で開催された。


 SUPER★DRAGONの最大の特徴は、ディストーションの効いたヘヴィロックとダブステップとを掛け合わせたエッジの効いた音楽性と、年齢差の広い9人が一丸となって生まれる圧倒的なパフォーマンスのエナジー。重低音のギター・サウンドやウォブルベース、四つ打ちのビートやどっしりとしたドラム・サウンドの上でラップと歌を共存させ、メンバー全員で強烈なインパクトを生み出していく。楽曲によってはジャンや和哉、洸希によるヒューマンビートボックスも加わるなど、ビートやリズム感を重視した多彩な引出しを持っているのも特徴だ。12月からは年上組4人のファイヤードラゴンと年下組5人のサンダードラゴンに分かれ、メンバーが初めて別ルートで日本列島を回るツアーが始動。ファイヤードラゴンが北海道や静岡など筆頭にした北を中心に、サンダードラゴンは鹿児島や愛媛、香川といった南を中心に回り、この日は2組が旅の途中で久々に再会する舞台となった。開演前に話を聞くことができたファイヤードラゴンの毅とサンダードラゴンの彪馬曰く、今回のツアーはメンバーにとって様々なことに気付く機会になったそうだ。


「今回2組に分かれてみて、ひとりひとりの大切さや、『9人でチームだ』ということを改めて感じました。ファイヤードラゴンはもともと4人で、颯がいない期間は3人でライブもしたので、9人の時に引けをとらないパフォーマンスにするために、技で魅せることを考えました。SUPER★DRAGONの曲では(普段はダンスを担当する)玲於が歌ったりと、新しい武器も沢山見つけましたね。あと、僕らは初日の札幌で29年ぶりの大雪にぶつかって、その中でも来てくれる人のありがたさを感じたり、お客さんの入りを見て初心に戻る機会にもなったりして。宮城公演が天候の影響で中止になってしまったのが本当に申し訳なかったので、今度は絶対に行きたいです」(毅)


「サンダードラゴンの場合、いつも毅くんとジャンくんが担当してくれているMCを初めて自分たちでやらなければいけなくて、ライブを進行すること自体も大変でした。場所によって色んなお客さんがいて、毎回ステージの大きさも違う中で、5人でも9人のような迫力を見せるにはどうすればいいかを考えました。移動中にMCや立ち位置の相談をしたり、曲順を工夫してアップダウンを意識するように話し合ったりもしたし、SUPER★DRAGONの曲では、5人で表現するために新たにパートを割り振ったりもして、短い期間の中で色々と学べる機会になったと思います。僕らは晴天続きの平和な道のりだったので、ツアーの思い出は初めて行った四国で食べたうどんです(笑)」(彪馬)


 そして迎えたライブ本番は、約1000人の観客が詰めかけた屋外の会場にファイヤードラゴン、サンダードラゴンそれぞれのフラッグを翻してメンバーが現われると、久々の再会を喜びつつまずは全員で「Pendulum Beat!」と「Ooh! Ooh!」を披露。メンバーの目には闘志がみなぎり、毅の歌やジャンのラップを中心にそれぞれが手にした「個人の強さ」と「9人での一体感」を確かめるように観客を揺らす。続いて晴天の会場に雷の音が鳴り、ファイヤードラゴンが雨宿りのためステージを去ると、残された年下組のサンダードラゴンが「INAZUMA」をエネルギッシュにパフォーマンス。終了後、電話の着信音に誘われサンダードラゴンがステージを降りると、入れ替わるようにファイヤードラゴンが現われて「MIKAZUKI」を大人っぽい表情と艶やかな歌で魅せる。それぞれ長所が異なるからこそ互いの個性がグループの魅力を底上げする、2組の理想的な関係を感じた瞬間だった。



 続いてジャンが「もう(ファイヤードラゴンの)俺たち4人だけでSUPER★DRAGONとしてやっていく?」と挑発すると、それを遮るようにサンダードラゴンが登場してステージ上はふたたび9人に。1月からはまた2手に分かれて新たな土地に赴く両者だが、「1月15日のツーマンで決着をつけよう」と新たなライブの開催を宣言して会場はさらに盛り上がる。とはいえ、彼らが互いを挑発するのは、「それがグループ全体のレベルアップに繋がる」からこそ。その思いを象徴する楽曲が、初披露となったアルバムのリード曲「BROTHERHOOD」だ。メンバーの「絆」をテーマにしたこの曲は、斧を振り下ろすようなギターとスクラッチを使ったイントロで幕を開け、サビでは大所帯に合うアンセミックなメロディが顔を出す。互いに拳を突き合わせたり、手を取り合ったり、9人が横一列に並んだりと2組の絆は振り付けにも反映され、ライブ全体に豊かなストーリーを生んでいた。


「『BROTHERHOOD』はすごくロックでカッコいい曲。MVの爆破シーンにも注目してください。この曲は『兄弟の絆』がテーマになっていますけど、ファイヤードラゴンとサンダードラゴンはまさに兄弟のような関係なので、今回のツアーでそれぞれが考えたり、気付いたりしたことを融合して、これから新しいSUPER★DRAGONを見せていきたいですね。」(毅)


「もちろん、僕らの絆だけではなくて、『家族や友達との絆』など、色んな人が自分の立場に置き換えて共感できる曲だとも思うんです。だから、沢山の人に聴いてもらえると嬉しいです。パフォーマンスも、今回のツアーを通して得たものを持ち寄って、SUPER★DRAGONとしてこれからもっと成長していきたいです。それから、ネタバレになるので詳しくは言えないですけど、MVでは僕の行動にも注目してください(笑)」(彪馬)


 ライブの最後は定番の楽曲「KITTO→ZETTAI」を、年下組の彪馬と洸希のアカペラで始まるアルバム・バージョンで披露してステージを終えた。2組が分かれてのツアーは1月からは北/南を交換し、それぞれ3公演を予定。そして1月15日に東京・ESPミュージカルアカデミーでのツーマンでクライマックスを迎える。ふたたび9人が集結した時、果たしてどんな化学反応が生まれるのか。アルバム『1st Impact』リリース直前の舞台となる当日に向けて、急成長を続ける彼らの今後がますます楽しみになるステージだった。(文=杉山 仁)