2016年のGP2でチャンピオンを獲得したピエール・ガスリーは、ともにタイトル争いを繰り広げたチームメイト、アントニオ・ジョビナッツィのデビューシーズンを可能な限りサポートしたと明かした。
レッドブルの育成ドライバーであり、GP2フル参戦2年目を迎えていたガスリーは、最終戦アブダビでポイントリーダーだったジョビナッツィを逆転し、09年ニコ・ヒュルケンベルグ以来のルーキーチャンピオン誕生を阻止してみせた。
一方のジョビナッツィはタイトルこそ逃したものの、フェラーリと契約しサードドライバーに就任するという朗報を手にした。ガスリーはジョビナッツィの印象を「彼は誰からも非難を受けることのない本当に気持ちの良い人間で、優れた才能をもつ素晴らしい男だ」と語る。
「アントニオ(ジョビナッツィ)は年上だけど、GP2での経験値は僕の方が上だ。だから可能な限り、彼にヒントを与えたんだ。僕はチームメイトみんなにオープンでありたい。それが僕のやり方だからね」
「だけど、彼がこれほど早くタイトル争いのライバルになるとは考えていなかったんだ」
「シーズンの途中で彼が強力なライバルになったときは、『ちょっと親切にしすぎたかも』なんて考えもしたよ! もちろん、最終戦のアブダビではいつもと違う、少し緊迫した状況だった。とはいえ、いったんマシンを降りればすぐに良い関係に戻れたんだ」
ガスリーをサポートするレッドブルとトロロッソのF1レギュラーシートはすでに確定しているために、17年はスーパーフォーミュラに参戦する可能性も取りざたされている状況だ。そんなガスリーは、ジョビナッツィとF1の舞台でともに戦うことを望んでいる。
「アントニオは良いドライバーだし、同時に最高の友達でもある。彼と同じチームでレースをしたこの1年間は本当に素晴らしかった。僕らは切磋琢磨し、お互いを高めあっていたんだ」
「普通、チームメイトとの争いは複雑でタフになりがちだけど、17年は僕のベストイヤーのひとつだよ。いつかまた、彼と頂点で戦う日が来るはずさ」