レッドブルチーム代表のクリスチャン・ホーナーによると、2016年シーズンのダニエル・リカルドはマックス・フェルスタッペンの兄のようだったという。
2016年の第5戦スペインGP直前に、レッドブルのドライバーだったダニール・クビアトをトロロッソに降格させ、代わりにフェルスタッペンを昇格させたことにより、ふたりはチームメイトとなった。
フェルスタッペンが移籍後初レースでキャリア初優勝を成し遂げたことで、わだかまりが生じる可能性があったものの、このふたりはトラック外で良好な関係を築いているだけでなく、トラック上でも良いライバル関係を築いており、リカルドはフェルスタッペンが来たことによってドライバーとしての自らのレベルが向上したと語っている。
「最も大事なことは、そこにリスペクトがあることだ」ホーナーはそう語った。
「彼らに『一緒に夕食に行ってこい』などとは言わないが、お互いを、そしてチームをリスペクトするようには求めている」
「ふたりはまったくその通りの行動をしており、我々に利益をもたらす以上の関係になっている」
「ダニエルは色々な意味でマックスの兄のような存在だよ」
「彼らからのフィードバックはとても似通っているし、マシンに対する要求も非常に似ているんだ」
「予選や決勝で彼らのマシンに対しての意見を聞いていると、毎度毎度それがほとんど同じなんだよ。ふたりのドライバーが追い求めるマシンが同じというのはデザイナーや開発担当のスタッフにとっては素晴らしい状況だね」
リカルドとフェルスタッペンはレースでも互角に渡り合っており、ふたりが2016年シーズンのスペインGP以降に獲得したポイントはそれぞれ220と191、リカルドがフェルスタッペンの前でフィニッシュしたレースは8回で、逆にフェルスタッペンは7回、レースでリカルドを上回っている。
予選ではリカルドが強みを活かし、フェルスタッペンに対し11勝7敗だった。
ふたりのドライバーをパフォーマンスという点で分けられるかと尋ねられたホーナーは、「それはとても困難だ」と述べた。
「一方が優勢な週末もあれば、もう一方が優勢な週末もある」
「成績はサーキットによりけりで、非常に微妙なバランスが取れているんだ」
ホーナーは、もし2017年にレッドブルがふたりのドライバーに対してタイトルを争えるマシンを与えることができた場合、交戦規則は“シンプルなもの”にするつもりだと語った。
「レースごとに状況を解決していくよ。私がいつも物事を信じてきた方法さ」
「実際には十分なルールがある」
「シンプルに、それがこのスポーツに対してアプローチを取るときの私の哲学だ。シンプルにするんだ」