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鈴鹿8耐:カワサキのSBKライダーふたりが語る『鈴鹿8耐』への思いとは

2016年12月28日 17:31  AUTOSPORT web

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日本に来日したジョナサン・レイ(右)とトム・サイクス(左)
2017年のスーパーバイク世界選手権(SBK)に参戦するKawasaki Racing Team(カワサキ・レーシング・チーム)のライダー、ジョナサン・レイとトム・サイクスが鈴鹿8時間耐久ロードレースへの思いを語った。

 2016年シーズン、カワサキはSBKで12勝を挙げメーカータイトルを2年連続で獲得。個人では、レイが498ポイントを獲得し2年連続チャンピオンに輝き、サイクスが447ポイントでランキング2位を獲得した。

 そんなカワサキのSBKライダーふたりが日本に来日。東京・お台場の「Kawasaki Robostage(カワサキ・ロボステージ)」で行われたプレスカンファレンスで、SBKの2016年シーズンを振り返るとともに、来季40回目の開催を迎える鈴鹿8耐に関して語った。

 16年シーズンも序盤から速さを見せていたレイ。しかし、16年シーズンは「多少限界を感じたところがあった」という。

「今年はまったく新しいニンジャ(ZX-10R)だったから、マシンを理解するのに苦労した。だけど、一歩ずつ努力をしてチャンピオンを獲ることができた」

「マシンの理解が1年にも満たないなかで勝つことできたというのは非常に大きな自信になったよ」

 11月中旬にスペイン・ヘレスで行われたMotoGPとSBKの合同テストで、レイが2日目にMotoGPのサーキットレコード1分38秒735よりも速い1分38秒721を記録。MotoGPマシンのタイムを上回り、総合トップに立つという驚速ラップを刻んだ。

 この結果を受けて「これで三連覇は確実ですか?」と問われると、レイは「MotoGPとの比較というのはあまり好きじゃないけど、ヘレスではチームが用意してくれたマシンが非常に速かったからうれしかった。当然17年シーズンに向けて大きな勇気になると思っているよ」と控えめのコメントに終始した。

 そんなレイのチームメイトであるサイクスは、16年シーズンをランキング2位で終え、メーカータイトル獲得に大きく貢献した。

「ここ5シーズン、ワールドチャンピオンを獲得したり、連続でトップ10に入ったりしていることは自分にとって素晴らしいことだ。それは非常に難しいことなんだ。チームに感謝しているよ」とサイクス。

「ニンジャは安定感のあるいいパッケージだ。だけど、もっと伸び代がある。17年シーズンは新しいニンジャが入ってくるから、さらにチャンピオンの可能性は出てくると感じている。もちろんターゲットは勝つことだから、そこに向かって努力していきたい」

■SBKライダーふたりの鈴鹿8耐参戦はあるか?
 日本のファンとして一番気になるのは、17年に40回目の開催を迎える鈴鹿8耐へふたりが参戦するのかということだ。「今後ふたりで鈴鹿8耐に参戦したいと思いますか?」という質問にサイクスは「鈴鹿8耐というのはつねに自分のなかのやりたいことリストに入っている」と次のように回答した。

「カワサキとの関係も長いし、ファミリーの一員という感覚もある。過去に(参戦に関して)ディスカッションしとこともあった。だけど、現実的にはSBKのシーズンを戦っているためかなり忙しく、8耐の時期は取らなくてはいけない休憩の時期でもあるから、難しいといえば難しい」

「だけど今言えることとしては、非常に強い関心を持っていることだ。まだそれについてはなにも話し合えていないけどね」

 過去にホンダで優勝した経験をもつレイも、鈴鹿8耐参戦に関して強い興味を持っているという。

「僕にとっても鈴鹿8耐というのは特別なレースですごく好きなレースだ。鈴鹿8耐に戻ってみたいと思っているし、日本のファンからも『帰ってきて!』とリクエストを多く受ける」

「参戦について実際に話しあったこともある。ただ戻るときはしっかりとした形で戻りたいと思っているんだ。だけど、今のところその形がまだ見えていない」

「カワサキに対しても鈴鹿でドリームチームを組んで行きたいとリクエストしたことがあるんだ。行くからにはしっかり勝てる体制が作れたら行きたいと思っている。SBKのチャンピオンと鈴鹿8耐の勝利を同じ年に成し遂げられたら夢のようだと思っているし、その瞬間が来ることを願っているよ」

 果たしてふたりが鈴鹿8耐に参戦することはあるのか。今後カワサキが発表する鈴鹿8耐参戦体制にも注目が集まる。