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「ブラック企業に殺されかけた」――元エンジニアが語る惨状が話題、「一度体調を崩すと、一生つきまとってくる」

2016年12月28日 15:41  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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IT業界では上流の超大手企業ならまだしも、下請けや孫請け企業では長時間労働が常態化しがちだ。過酷なデスマーチに耐えられず辞めていく人も多い。

そんな中、「IT系ブラック企業で過労死しかけたので4年分のタイムカードと実態を暴露する」というブログ記事が12月26日に投稿された。筆者はエンジニアとして時には160時間にも及ぶ残業を強いられたダーシノさんだ。

毎日ロキソニンを服用、視力も1.5から0.2に低下

ダーシノさんは、新卒で中堅のSIerに入社。入社前は、要件定義から設計・開発・運用までを手掛けていると聞いていたが、実態はメーカー系のSIerの下請けだった。

電車遅延で1分でも遅刻した場合は午前有休を使うことを強制されるなど、もともとブラックな会社だったようだが、まだ1年目だった2011年3月に大炎上プロジェクトに投入されると、100時間超の残業をするように。2年目なのにサブリーダーとして設計や孫請け、ひ孫請けのメンバーの工数管理を行っていた。

2か月後には肩こりだけでなく眼痛、頭痛、吐き気、目眩に悩まされるようになり、「毎日ロキソニンを2~3錠飲んでいたが、まったく痛みは引かず我慢しながら仕事をしていた」と振り返る。23時半まで残業し、次の日は7時45分に出社するという毎日だった。

翌年には過労で鼻血を出して倒れてしまう。その後、最終的に「うつ病」と診断されたが、上司にもみ消され強制的に働かされた。当時のツイートから精神的にも追い詰められていることがうかがえる。

「なにもかもが敵に見える。電車内の人がみんなウチの悪口を言っている。(中略)なにもかもが嫌になった。こんなことなら希望なんて持たなきゃよかった。全てウチが悪い」

この炎上プロジェクトには2014年3月まで結局3年関わり翌年退職した。過酷な労働の代償として、現在も記憶力の低下や情緒不安定に悩まされているという。1.5あった視力も0.2に低下した。

「ほんと体壊してからじゃ遅い。生産性が戻らないんだよ」

過酷な労働環境で心身を壊してしまったダーシノさんは、「いのちをだいじに」と呼びかける。

「仕事はいくらでもある。でも、あなたは1人しかいない。一度体調を崩すと、一生つきまとってくる。おそらく寿命も縮まるだろう。どんなに努力してもそう簡単には治らない。だから、選択を誤らないでほしい」

厚生労働省の調査によると、精神障害による労災の請求件数は年々増加し、2015年には1515件に達した。とりわけエンジニアが該当する「専門的・技術的職業従事者」の労災請求件数は325件と「事務従事者」(326件)に次いで多い。多数のエンジニアがダーシノさんと同じような過酷な労働を強いられていると考えられる。

あまりにもひどいブラック企業の実態が話題となり、はてなブックマークでは共感や応援のコメントが相次いだ。

「ほんと体壊してからじゃ遅い。生産性が戻らないんだよ」
「こういう現場はSIerに多いし、心も体も一度壊すと治るのに恐ろしく時間がかかる」

特にうつ病に関しては、個人差はあるものの10年以上経っても直らない、という人もいる。その間働けなければ経済的損失も大きくなるばかりだ。

もちろん「さすがに100時間連続はひどい」と会社を非難する人もいた。

「会社が人を壊すことに対しての会社のリスクが少な過ぎる。ここにリスクを持たせないとブラック企業は減らないし社会は淀む一方だろう…」

いま長時間の残業を強いられて辛い思いをしている人も、心身の健康を害してしまう前に、会社を辞めるなどの対応を取ってほしい。来年IT業界に就職するという人は

「諸先輩方の言うとおり、体を壊す前に辞めねば…その判断ができるか不安だから、周りにも頼んでおこう。筆者さんが今後幸せになれますように!」

と書き込んでいた。

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