2016年のERCヨーロッパ・ラリー選手権にもエントリーし、毎戦選出される敢闘賞“コリン・マクレー・フラットアウト・トロフィー”を最年少で受賞した経歴を持つカリ・ロバンペッラが、WRカーでイベントデビュー。驚くべきスピードでWRCドライバーと渡り合い、改めてその非凡な才能を証明してみせた。
WRCワークスドライバーとして活躍したハリ・ロバンペッラを父に持ち、幼少時からラリードライビングの英才教育を受けてきたカリは、先日イタリアで開催されたボローニャ・モーターショーで併催されるモータースポーツ・イベント『ベッテガ・メモリアル・ラリースプリント』で、ピレリの支援を受けフォード・フィエスタRS WRCのステアリングを握り参戦。
WRC2のフロントランナーであるエルフィン・エバンスには敗れたものの、この若干16歳のフライングフィンは、ヒュンダイi20 WRCで参戦したティエリー・ヌービルらを打ち負かし、2位表彰台を獲得する速さをみせた。
スーパー・スペシャル・ステージを模した『モチュール・アリーナ』を舞台に争われた同イベントでは、カリは週末のトーナメント戦に向け金曜予選から勝ち上がり、最終8ドライバーに進出。
イタリア国内選手権で9度のタイトル獲得経験を持ち、2017年はERCへの復帰も表明した大ベテラン、パオロ・アンドレウッチらを撃破し、予選2グループのうち“レッドグループ”のトップ通過を果たすと、他方の“グリーングループ”を勝ち上がったエバンス、ヌービルらとの準決勝へと挑んだ。
日曜午前の準決勝では、デュエル形式のトライアルでヌービルのi20 WRCと対戦。ここでヌービルがカリを追う展開となるも、ヌービルはヘアピンの進入で痛恨のスピンで敗退。
決勝はエバンスとのフィエスタによる一騎討ちに。4本のヒート中、最初の2本でエバンスが先行。最終的に3対1でエバンスが逃げ切り、WRCドライバーの面目を保ってみせた。
グラベル(未舗装路)とターマック(舗装路)のミックス・サーフェスのステージを、グラベル仕様のサスペンションとタイヤでアタックするという特殊な条件下ではあったものの、エバンスもカリのスピードを絶賛。カリ自身もイベントでのドライビングに手応えを感じたようだ。
「この重要で歴史あるイベントに参加できただけでもうれしいのに、表彰台に上がれたのは本当に名誉なこと」とカリ。
「すごくいい雰囲気のなかで走ることができたし、素晴らしいサポートを得られた。とても感謝しているし、何よりWRカーのドライブは本当に楽しかったよ」
一方、3位決定戦に挑んだヌービルとアンドレウッチは、9度のイタリアチャンピオンが地力を発揮してヌービルに勝利。アンドレウッチがイタリアのファンを沸かせる3位表彰台を獲得している。