人が集まる機会の多い年末年始、楽しく集合写真を撮ったのは良いけれど、こんな悩みを抱える人もいるだろう。先日、発言小町で「友人に、顔写真を勝手にFacebookへアップされた」という人からのトピックが立った。
トピ主は、写真はすぐに削除してもらったものの、後でその友人が自分の悪口を周囲に言っているのを聞いてしまったという。相手の言い分はこうだ。
「みんなの顔が小さく写っていて、しかもわざとピンボケ写真を選んで、顔の判別がしづらいよう気を使ったのに、トピ主は削除しろと言ってきた。トピ主は自意識過剰ではないか」
トピ主としては不愉快だ。「確かに平気でSNSに顔写真をアップする人は多いですが、私は自分の顔が嫌いなので絶対にイヤなのです。私はまちがってますか?」と訴えていた。(文:okei)
憎しみがエスカレート「目に見える形での謝罪がない限り、ゆるしません」
これに対してレスの大半は「間違っていません」だった。勝手にアップされれば不快だし、「人それぞれ意識は違うので配慮するべき」と、ほとんどの人が共感しエールは1500を超えている。
筆者の友人にも、自分の子どもの顔や水着の写真をSNSにアップする人がいるが、どうも認識が甘い気がしてならない。ネット上では一度出したものは知らぬ間にどう利用されるか分からないし、拡散されればすべて回収することは不可能に近い。他人の写真をアップしたいときは、あらかじめ聞いておくか、モザイクをかけるなどの配慮は必要だ。
ただ、そうした認識も人によって度合いが違う。一定の理解を示しながらも「映らないように自衛したら」「正論だけどめんどくさい人」「今どき、ノリが悪いなぁ」と苦言を呈する人も少なくなかった。
しかし、トピ主は多くの賛同を得て気持ちが高ぶったのか、そうした意見には耳を貸さず、相手への憎しみをエスカレートさせている。自分は間違っていないと自信が持てたし、知人の司法書士に頼んで内容証明を送りつけようと思うとした上で、こう書き込んだ。
「肖像権侵害と、私の陰口への名誉毀損への謝罪を請求します。目に見える形での謝罪がない限り、ゆるしません」
訴えるのはやりすぎ?「思うようにやったらいい」という声も
書き込みの中には、「顔が判別できるなら、肖像権を侵害しています。(中略)『今度は名誉毀損ですか?出るとこ出ます?提訴していいですか?』って言ってやったらいいですよ」と煽る人もいたため、こうした考えに至ったのだろう。
これが実際罪になるかというと、「肖像権」や「プライバシー権」の侵害は一般人でも罪に問われる可能性はある。(参照「弁護士相談Cafe」)ただ、損害賠償請求には様々な要件があり、認められるかどうかの判断は難しい。相談なら司法書士より弁護士だろう。
トピ主のこうした姿勢には、驚きと批判的な書き込みが殺到していた。確かに良くない行為だったが訴えるのはやりすぎ、「普段から悪口言われたらこういう事しているのですか?周りの人も引くし逆に自分の首締めるよ」との声があり、筆者も同感だ。結局ますます悪口を言われるだろう。
手軽さゆえの落とし穴があるSNS
しかし一方で「嫌なら映らないように努力せよ」は理解できない、集合写真はネットにあげられる事が前提のものではない、とトピ主を最後まで支持する声もある。この人は
「トピ主さんにとってはそこまで怒る事なんですから、やりたいだけやればいいです。その結果その友人と疎遠になるとしても、それは当然覚悟の上でしょう。そこまで怒る事じゃないというのはあくまでその人の感覚であって、万人に共通するものではないですよ。それこそ『人それぞれ』です」
と怒りをにじませていた。
最初からひとこと聞いて丁寧な対応しておけば、こんなに人間関係をこじらせることもない。SNSは手軽さゆえの落とし穴があり、自分の基準で軽率な行動をするのは慎むべきだろう。