シルバーストンが舞台となった第12戦イギリスGP。前戦チェコGPでカル・クラッチロー(LCRホンダ)はMotoGP初優勝を達成した直後のホームレースということで注目を集めた。最高峰クラスにおけるイギリス人ライダーの優勝は1981年のバリー・シーン以来、約35年ぶりの快挙だった。
予選はウエットコンディションで争われ、クラッチローが期待に応えてポールポジションを獲得。2番手にバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ)、3番手にマーベリック・ビニャーレス(スズキ)が続いた。マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)は5番手、ホルヘ・ロレンソ(モビスター・ヤマハ)は9番手に終わった。
決勝は気温、路面温度共に低いコンディションでのレースとなった。スタート直後に接触事故が起こり、赤旗中断、1周減算の19周で再スタートとなる。1周目にトップに立ったのはビニャーレス。後方でクラッチロー、ロッシ、マルケス、ダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ)、アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)らが接戦の2番手争いを展開したことで、ビニャーレスは後続にリードを取り独走。そのままトップの座を一度も譲ることなくMotoGPクラス初優勝を飾った。
この勝利はスズキにとっても復帰後初優勝、スズキのMotoGPクラスでの優勝は2007年フランスGPのクリス・バーミューレン以来となった。
2番手争いはイアンノーネが中盤に転倒で脱落、クラッチロー、ロッシ、マルケスの接戦となる。マルケスが残り2周でコースオフを喫し後退。クラッチローが2位、ロッシが3位に入賞した。マルケスはペドロサと4番手を争うことになるが、最終ラップにペドロサを交わして4位でゴール。ロレンソは8位に終わった。
ビニャーレスの優勝により、後半戦スタートの3戦で3人のウイナーが誕生する混戦模様となった。チャンピオン争いはマルケスが210ポイントでリード、50ポイント差の2位にロッシ、ロッシと14ポイント差の3位にロレンソが続き、ビニャーレスはペドロサを交わしてランキング4位に浮上した。