かつてジョーダンやスチュワートでデザイナーを務め、現在英AUTOSPORTのテクニカルエキスパートを務めるゲイリー・アンダーソンが、2016年のF1全チームのパフォーマンスを独特の方法で評価した。
アンダーソンは、各チームが各グランプリで記録したベストタイムをそのグランプリ全体の最速ラップと比較してパーセンテージで表し(これを“スーパータイム”と呼ぶ)、チームごとに全グランプリの平均値を導き出した。
これをパーセンテージが小さい順(=速い順)に並べることで、選手権ランキングとは異なる形でチームの序列を導き出した。
この分析法における2016年のチームランキングは以下のとおり。参考までに2015年のパーセンテージも付記した。
1. メルセデス
100.011% (2015年:100.072%)
2. レッドブル
100.853%(2015年:101.521%)
3. フェラーリ
100.877% (2015年:100.775%)
4. ウイリアムズ
101.709% (2015年:101.544%)
5. フォース・インディア
101.719%(2015年:101.967%)
6. トロロッソ
102.200%(2015年:101.918%)
7. マクラーレン
102.217%(2015年:103.026%)
8. ハース
102.594% (2015年なし)
9. ルノー
103.238%(2015年:101.953%)
10. ザウバー
103.517%(2015年:102.604%)
11. マノー
103.779% (2015年:106.459%)
■向上したチーム、後退したチーム
2015年のスーパータイムと比較すれば、各チームが2016年にどれだけ前進したか、あるいは後退したかを見ることができる。
●向上したチームと向上の度合い
マノー 2.680%
レッドブル 0.668%
マクラーレン 0.432%
フォース・インディア 0.248%
メルセデス 0.061%
●後退したチームと後退の度合い
フェラーリ 0.102%
ウイリアムズ 0.165%
トロロッソ 0.282%
ザウバー 0.913%
ルノー 1.285%
■「マクラーレン・ホンダは十分な進歩を成し遂げていない」
マクラーレン・ホンダは2015年の9位(103.026%)から2016年は7位(102.217%)に上昇した。しかしアンダーソンは、まだ改善が十分ではないとして、パフォーマンス不足の原因を次のように分析している。
「マクラーレンは改善したが、トップとの差はまだかなり大きい」とアンダーソン。
「パフォーマンス不足の原因は、75パーセントが(パワーユニットサプライヤーの)ホンダにあり、25パーセントがマクラーレンにあると思う。だが2015年にアグレッシブなパッケージングを選んだことで、マクラーレンがホンダを苦境に追い込んだことを忘れてはならない」
「さらに、シャシーも、一部のサーキットでは強さを発揮したが、オールラウンドなマシンといえるほど、力を発揮できる幅が広くない」
「マクラーレン・ホンダは正しい方向に向かっているが、本来持っているべき速さはなく、まだ先は長い」