スーパーGT300クラスにグッドスマイル 初音ミク AMGで参戦しているGOODSMILE RACING & Team UKYOは12月23日、ファンを集めたGSR忘年会の会場で、2017年のスーパーGT参戦体制について発表した。
2008年、BMW Z4でスーパーGTに参戦を開始したStudie GLAD Racingのボディに、大きく初音ミクが描かれ始まった『初音ミクGTプロジェクト』。その後チームはさまざまな体制変更を経て、2011年、14年にはチャンピオンも獲得。GT300屈指の強豪チームに成長した。
そんなプロジェクト10年目にあたる2017年、チームは2016年の体制をそのまま維持するかたちで迎えることになった。安藝貴範チーム代表、片山右京監督、そして谷口信輝/片岡龍也というドライバーふたりもそのまま。マシンもメルセデスベンツAMG GT3、ヨコハマタイヤを使用し、ゼッケン4番をつけることも変わらない。大橋逸夫コミュニケーションマネージャーのみ、自身のプロジェクトに集中するため、チームを卒業することになった。
■変わらぬ体制でチャンピオン奪回を目指す
「10年という期間を戦うということはなかなか大変なことだと思いますし、こうして活動を継続できることを嬉しく思います。なんとか10年目、チャンピオンを獲得して終わりたい」と語るのは、安藝代表。
また、片山右京監督は17年に向けて「自分がこのプロジェクトに関わることになって7年目。2016年はそのなかでもいちばん勉強になった年でした」と語った。
「年々タイトル争いが厳しくなるなかで、ランキング5位だったのは一見悪いようにも見えますが、不運があったり、不利な状況があったなかで、上位争いができているということ。チームの戦力についてはプライドをもっています。10年目を迎えて、ふたたび必勝体制を組んで戦いたい」
2011年にチームに加わった谷口は、17年がチーム在籍7年目。「16年はトップ争いができませんでしたが、我々のクルマに対してはレギュレーションが厳しい1年でした。来年はチームに加わって7年目。2017年も申し分ない体制で戦うことができる。チャンピオンに返り咲いて、悔しい思いを返上したいと思います」と意気込みを語った。
また、谷口と組んで6年目になる片岡は「今年は、ひと言で言うと『おもしろくない』シーズンでした。ただ力を出し切れていなかったり、不運もあった。2017年はスピードにもこだわって、予選から前に行きたい。チームは毎年あまり体制も変わりませんが、気を引き締めていきたい」とこちらも強い思いを述べている。
■Tonyさんが描くレーシングミク 2017 ver.も公開
一方、ファンにとって気になるのは、チーム全体のキービジュアルとも言える『レーシングミク 2017 ver.』だ。2011年から、オリジナルのレーシングミクがマシンに描かれているが、今年は10年目という節目の年であることから、「10年目にふさわしいビッグネームをお呼びしたいと考えた(安藝代表)」と、セガの『シャイニング』シリーズ等で世界的に人気を博すイラストレーター、Tonyさんが担当した。
「世界に羽ばたくレーシングミク」をイメージしたイラストは、背中に大きな蝶の羽が描かれており、“妖精”をモチーフに。実際は童話等のように、小さなキャラクターを意識しているという。また、勝利をイメージしたダブルピースがポージングされる。
プロジェクト全体のアートディレクションは、2014年から担当しているコヤマシゲトさんが務め、今後例年同様、2月のワンダーフェスティバルに向けてマシンのカラーリングデザインが施されていくことになる。
チームでは同時に、長年チームの原動力となっている個人スポンサー制度も継続。2017年は、ユニークな『ふるさと納税コース』なども用意される。新たなキービジュアルを得て、必勝体制で挑むGOODSMILE RACING & Team UKYOは、17年も大きな注目を集めることになりそうだ。