マノーのレーシングディレクターを務めるデイブ・ライアンは、人々がパスカル・ウェーレインに対して間違った印象を持っていると考えており、彼にはその理由が理解出来ないという。
メルセデスF1の育成ドライバーであるウェーレインは16年、マノーで印象的なデビューシーズンを過ごし、オーストリアGPではチームに唯一のポイントをもたらす。
しかし、ウェーレインはフォース・インディアのシート争いでチームメイトのエステバン・オコンに破れた。ウェーレイン自身はフォース・インディアに選ばれなかった理由を、コース上のパフォーマンスではなく、チームとの“意思疎通”の側面に合ったと考えている。
ライアンはウェーレインがパドックで何人かの関係者に誤解されたのだと考えている。
「パスカル(ウェーレイン)が才能あふれるドライバーであることは疑いようもない。それに、彼は素晴らしい若者だ」と、ライアンは語る。
「パスカルに対してネガティブな意見を持つ人もいるが、それは間違いだ。彼は本当に正直な男で、驚異的な才能を持ち、懸命にハードワークをこなす」
「彼は優れたレース勘と速さを持った素晴らしいドライバーであり、我々は彼の仕事ぶりに感銘を受けている」
ライアンは、ウェーレインに悪い印象を持つ人々の意見に困惑している。そのウェーレインは、ニコ・ロズベルグの後任争いの渦中にいるが、候補者リストのなかでは、バルテリ・ボッタスが一歩先をいっている。
「私には、パスカルに対する批判はまったく理解ができない」とライアン。「多くの人が彼の印象を傲慢だと言ってる。だが、私はそんな姿を見たことがない、ただの一度もだ」
「彼に一度でもインタビューした人は誰でも『なんて気持ちのいいやつだ』と言って帰って行くし、実際に彼はそうなんだ」
「彼は茶目っ気たっぷりの笑顔を我々に見せてくれるし、ポジティブな姿勢でチームに貢献しようと尽力する。だから、ある一片を切り取った噂話が独り歩きしていることは間違っていると思う」
「彼はトップクラスのドライバーであることは間違いない」
誰かの“間違った”印象がウェーレインのキャリアに傷を付け、フォース・インディア移籍のチャンスを逃したことの一因になったかと聞かれたライアンはこう答えた。
「パスカルと5分でも話せばそれは間違いであることがわかるさ。私はフォース・インディアがどのような理由で決定を下したのかは分からない。それは完全に彼らの問題だ」
「5分、いや2分でもいい。彼と話せば、素晴らしい男だとすぐにわかるはずだ。彼は傲慢などではなく、ただ自分の仕事に100%集中しているだけなんだ」
フェリペ・マッサの決断を受けて空席となっているメルセデスのシート獲得はウェーレインを飛び越えてボッタスが最有力候補となっているが、ウェーレインはザウバーのシートの有力候補であり、マノーも彼の留保に躍起になっている。