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WRC:シトロエン、新型マシン『C3 WRC』をアンベイル。全チームのマシンが出揃う

2016年12月22日 14:21  AUTOSPORT web

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シトロエンがアンベイルしたC3 WRC
2017年の世界ラリー選手権(WRC)に参戦するシトロエンは21日、新たに制作したWRカー、『シトロエンC3 WRC』をアンベイルした。

 2017年のWRCでは、大幅な車両規則の改定が行われるため、参戦する各チームは新規にマシンを製作している。シトロエンはこれまで、C3 WRCのコンセプトカーやカモフラージュモデルは公開していたが、スポンサーロゴなどが入れられた実戦仕様のマシンを披露するのは、これが初めて。

 このC3 WRCのお披露目は引き続きチームのタイトルスポンサーを務める『アブダビ・ツーリズムオーソリティ』の拠点であるアブダビで行われた。なお、C3 WRCは4月の走行テスト開始以来、すでに6000マイル(約9656キロ)を走り込んでいるという。

 チームを率いるイブ・マトンは、シトロエンのワークス体制によるWRC参戦は2016年限りで活動を終了した世界ツーリングカー選手権(WTCC)でのプログラムに取って代わるもので、充分なバックアップを得られていると説明する。

「C3 WRCはFIAが作成した2017年規定に適合しながら、すべてのパーツを最大限にパフォーマンスを出せる形で配置している」とマトン。

「マシンの完成には、WRCに注力するというシトロエンの姿勢が必要不可欠だった」

「我々がこれまで培ってきた経験をつぎ込んでも、C3 WRCのデザインと開発に時間的余裕はほとんどなかった。しかし、(シトロエンの協力により)過去のどのプロジェクトよりも、はるかに短い開発スケジュールでマシンを作り上げることができたよ」

「また、チームが持つノウハウのおかげでテスト走行でも重大なトラブルが起きることはなかった」

「シトロエンの協力とチームの経験。このふたつがなければ、2017年の開幕戦までにマシンを仕上げることは不可能だっただろうね」

 これまでシトロエンがWRCに投入してきたクサラWRCやC4 WRC、DS3 WRCは、どれもシリーズタイトルをもたらしており、このC3 WRCにも同じ活躍が期待されることになる。

 マトンもシリーズタイトル獲得が最優先目標であるとしつつも、2017年シーズンでの達成は困難だろうと認める。

「2017年シーズンは、ライバルと対等なコンディションで戦い、勝利をつかむことが現実的な目標だろう」

「そして2018年は、少なくとも(ドライバーかマニュファクチャラーの)どちらかひとつのトロフィーを持ち帰りたいね」

「ライバルチームからはC3 WRCの速さを警戒する声を多く聞く。ファンからも期待する声は大きいから、プレッシャーを感じている」

 シトロエンのドライバーラインアップはすでにアナウンスされており、2016年に2勝を挙げたクリス・ミークをエースドライバーに、クレイグ・ブリーン、ステファン・ルフェーブレという若手ドライバーを起用している。

 マトンはタイトル争いには若手ふたりの成長が必要不可欠だとコメントした。

「第1目標(2017年シーズン中の勝利)は、クリス(・ミーク)が達成していくれると確信している」

「残るふたりには安定したペースを刻めるようになるまで時間が必要だ。エースドライバーの座を脅かす存在になってもらわなければならない」

「才能ある若手ドライバーを積極的に起用するのは、我々のポリシーなんだ。これまでの成績を見る限り、クレイグ(・ブリーン)もステファン(・ルフェーブル)も類まれな才能の持ち主だ」

「だから、彼らにはチャンスを与えることにした。彼らはWRCで長く活躍できると確信している」