2016年シーズンからアウディUKの支援を受け、新型アウディS3セダンでエントリーしてきたAmD Tuning.comチームが、来季2017年に向けてマシンアップデートに着手。同時に1台体制だったチームを拡張し、2台のS3セダンを走らせるプランも明かした。
2010年のシリーズ参戦以来、これまでフォルクスワーゲン・ゴルフやフォード・フォーカスなどを走らせてきた同チームだが、2015年からアウディS3セダンをスポット投入。2016年は32歳のオリー・ジャクソンのドライブで、シリーズランキング26位に終わっていた。
そこで来季に向けて、このアウディS3の改良を決断。2016年から新たにBTCCへの共通パーツの供給を受け持つこととなったRML(レイ・マロック・リミテッド)製の装備を揃え、アップデートに取り組むこととなった。
RMLはWTCC世界ツーリングカー選手権などで大活躍したシボレー・クルーズなどの製造・チーム運営を任されてきたツーリングカーのスペシャリスト集団で、かつてはボクスホールのワークスとしても活動。
2015年までBTCCにシャシー系の共通パーツを供給してきたサプライヤーに代わり、彼らがサブフレームを筆頭としたサスペンション、ギヤボックス等の製造・供給を担うこととなり、その品質や性能が一気に安定した。
AmD Tuning.comチームはこれまで“旧・共通パーツ”を採用していたアウディS3セダンのパーツを置換し、そのままもう1台のマシンを新造する決断を下している。
この新型S3セダンをプレシーズン・テストでドライブしたジャクソンは、新部品の機能に驚くと同時に、来季に向け楽観的な見通しが持てるようになったと語った。
「このアップグレードは本当に有効だった。シーズン開幕時点で強力なポジションに着けることが期待できるし、ラウンド1からポイント獲得にチャレンジできるはずだ」
AmD Tuning.comチームの代表を務めるショーン・ホランビーは、現在の交渉が成功に終われば、チームはジャクソンのマシンに加えて、2台目のマシンをシリーズに投入できると述べた。
「現時点ではまだ可能性のレベルだが、我々はオリーのマシンと並んでもう1台のアウディS3セダンを走らせる準備をしている。もし一定の話し合いがまとまればGOサインが出せると思うが、その決定権はまだ我々の手の中にあるわけではない。今後、状況がどうなるか見てみよう」