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MotoGP:ロッシとマルケスが悲劇の後に和解/2016年振り返り 第7戦カタルニアGP

2016年12月20日 22:01  AUTOSPORT web

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第7戦カタルニアGP表彰台
第7戦カタルニアGPはマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)にとってホームレース。レースウイークを前にマルケスとホンダ・レーシング(HRC)の間で2年間の契約延長に合意したことが発表された。

 また、ポル・エスパルガロ(ヤマハ・テック3)が2017年からMotoGPクラスに参戦するKTMに移籍することも発表され、すでに発表済のブラッドリー・スミスと合わせて、KTMの参戦初年度のライダー体制が決定した。

 初日のフリー走行総合トップとなったのはホルヘ・ロレンソ(モビスター・ヤマハ)。しかし、初日のMoto2クラスのフリー走行2回目に、Moto2ライダーのルイス・サロム(カレックス)が12コーナーで転倒し亡くなるアクシデントが起こった。

 これにより、レースディレクションはコースレイアウトの変更を決め、2日目午前中のフリー走行より、アクシデントの起こった12コーナーを使用せず、この区間がシケイン状のコーナーとなって最終コーナーにつながるレイアウトを持つF1用のコースを使用することになり、予選Q1、Q2の選抜はフリー走行3回目のタイム順となった。

 フリー走行3回目でトップタイムを記録したのはマーベリック・ビニャーレス(スズキ)だったが、予選Q2でトップタイムを記録しポールポジションを獲得したのはマルケス。2番手にロレンソ、3番手に今季初フロントロウとなるダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ)が続いた。

 決勝はロレンソがリードし、マルケス、ペドロサが追う展開で始まり、この3人が抜け出すかに見えたが、5番グリッドからスタートしたバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ)が序盤の内にトップ集団に迫ると、7周目にはロレンソを交わしてトップに浮上。これにマルケスが続き、ロレンソは後退してしまう。

 マルケスは中盤までロッシの背後で様子を見ていたが、終盤になってロッシに仕掛け、ポジションを入れ替える接戦を展開。ロッシも負けじと応戦し、残り2周でトップを奪い返し、そのまま今シーズン2勝目をマークした。マルケスは2位でゴール。3位にペドロサが続き、今季2度目の表彰台を獲得した。

 ロレンソはトップ争いから脱落した後、5番手を走行中の17周目のバックストレートエンドの10コーナー入口でアンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)に追突されて両者転倒、リタイアとなった。この接触により、イアンノーネに対して2ペナルティポイントと次戦オランダGPでの最後尾グリッドからのスタートが課せられた。

 ポイントランキングではマルケスがトップに返り咲き、ノーポイントに終わったロレンソが10ポイント差の2位、優勝したロッシはロレンソに12ポイント差の3位となった。

 カタルニアGPは、サロムの事故死という悲劇に見舞われたレースだったが、MotoGPクラスのレース終了後のパルクフェルメでは、2015年のマレーシアGPでのセパンクラッシュ事件以来、緊張関係が続いていたロッシとマルケスが握手を交わし、表彰台にはサロムを追悼するおそろいのTシャツを着用して臨んだ。