2016年シーズンのMotoGPは9人ものウイナーが誕生した。その要因となったのが共通ECU(エンジン・コントロール・ユニット)の採用とタイヤがブリヂストンからミシュランに変わったことだ。
共通ECUはイタリアのマニエッティ・マレリが供給しており、ドゥカティはもともとこのメーカーのものを使用している。スーパーバイク世界選手権(SBK)ではほとんどのメーカーが使用しておりメジャーな存在となっているが、MotoGPではホンダ、ヤマハ、スズキは独自のソフトを昨年まで使用していた。
MotoGPクラスで2012年から始まったCRT(クレイミング・ルール・チーム)、そして2014年からのオープンオプションのECUは、すでにハードもソフトも共通になっていた。これは2016年からECUを共通にすることを見据えてのものだった。もちろん、コストダウンという意味合いも大きい。
ホンダは、その動きに対応するためにオープンオプションの最後の年となった2015年に型落ちのファクトリーマシンをサテライトチームに供給し、2016年に向けて共通ECUを理解し準備してきた。しかし、2015年のエンジンがピーキー過ぎたためパワーデリバリーを抑える方向に振ってしまい、2016年は予想以上に苦労することになった。
開幕前のテストが始まるとホンダの関係者から「共通ECUのソフトは3年くらい遅れているもの」と言う声を耳にしたほどだった。例えばホンダが使用していたECUは、調整幅のボタンが10段階あるとすると、共通ECUの調整幅は3から5段階しかボタンがないと言えば分かりやすいだろう。
■ミシュランタイヤに苦労したチームとライダー
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