世界ラリー選手権(WRC)に参戦しているドライバーたちは、2017年の第8戦に組み込まれたラリー・ポーランドに関して、FIAにさらなる安全性向上を求めている。
ラリー・ポーランドでは15年シーズンの運営方法に不備があり、観客の安全が確保されていなかったとして、FIAが運営側に改善を要求。これが満たされなかった場合、開催を見送る可能性も示唆していた。
これを受けて運営側は16年大会でマーシャルを増員。大きなトラブルなく終了したため、17年も引き続きカレンダー入りを果たした。しかし、ドライバーからはファンとの距離が近すぎ、恐怖を感じる場面もあったと指摘されている。
加えて、17年に登場する新型WRカーはターボリストリクターの拡大によるエンジン出力の向上、ダウンフォース量の増加により、さらにスピードが増すという点も、懸念材料になっている。
17年もヒュンダイからWRCに参戦するダニ・ソルドは「個人的にもラリー・ポーランドは好きなイベントだ。ただ安全面にしっかり注意を向けなくてはいけない。新型WRカーで走るとなれば、なおさらだ」と語る。
「本当に多くの観客が集まる1戦なんだ。そして、なかにはコースの真ん中まで出てきてしまう者もいる」
「僕たちは、より一層注意深く走行しなければいけない。最悪の場合、イベント中止の可能性もあるだろう。これでは誰も得をしないよ」
「この件についてはFIAも問題視している。僕たちも安全確保が重要であると身にしみているしね」
「なかには、マシンをもっと間近に体感したいと思う“クレイジー”なファンがいるんだ。そういった人が間違った行動をすれば、2度とWRCを目の前で観ることができなくなってしまう」
「ファンには、もっと後ろに下がっていてもらいたい。すでにFIAも改善に向けて動き出している」