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モーニング娘。’16、新加入第13期メンバーの実力は? 11人ラストツアーから読むグループの未来

2016年12月19日 07:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 モーニング娘。’16の第13期メンバーにハロプロ研修生から加賀楓、横山玲奈の2名が加入した。


(関連:モーニング娘。’16 牧野真莉愛の初センターは、激変するハロプロの新機軸となるか?


 メンバー発表は、12月12日に日本武道館にて開催の『モーニング娘。'16コンサートツアー秋~MY VISION~』で行われた。2016年1月より「モーニング娘。'16 新世紀メンバーオーディション」と題し実施してきたオーディションは、2度の「該当者なし」。その結果を受け、ハロー!プロジェクト研修生よりメンバーが選出された。


 譜久村聖より1番手に呼ばれた横山は、高校1年生の15歳。3カ月前に研修生となったばかりのメンバーだ。次に呼ばれた加賀は、高校2年生の17歳。4年間の研修生期間を経てモーニング娘。のメンバーに選ばれた苦労人である。筆者も当日は武道館に足を運んでいたのだが、武道館のステージに立った加賀が嬉しさのあまりに肩を揺らし涙する場面では、会場に感動の波が伝わっていくのが空気感で分かった。


 ハロプロ研修生からグループに昇格するといったモデルは、現メンバーではハロプロ研修生4期の譜久村に始まり、10期の工藤遥、13期の小田さくら、17期の牧野真莉愛と20期の羽賀朱音に該当する。また、牧野と羽賀は同時期の加入となる。横山はハロプロ研修生で一番若い26期メンバー。そして、加賀は牧野、Juice=Juiceの金澤朋子、こぶしファクトリーの和田桜子などと同じ17期。すでにグループでセンターポジションを経験している牧野を筆頭に、ほかメンバーが各グループに昇格していくなか、加賀は時に悔し涙を流し“研修生のエース”として着々とダンスの腕を磨いてきた。


 加賀にとって転機となったのは、昨年開催されたハロプロ研修生によるイベント『ハロプロ研修生発表会2015~春の公開実力診断テスト~』。毎年恒例である研修生による昨年の実力診断テストにて、加賀は℃-uteのダンスナンバー「Love take it all」で最も多くのファンからの支持を集め「ベストパフォーマンス賞」を獲得。今年の研修生発表会ではモーニング娘。「恋ING」で伸びやかな歌声を会場に響かせ歌唱力と表現力の高さを見せつけていた。


 2年3カ月ぶりとなる今回の新メンバーのお披露目により、モーニング娘。12期生4名は先輩メンバーに。そして、この日が11名としてのモーニング娘。’16ツアーラストコンサートであった(大雪のため振替となった北海道公演を除く)。ツアータイトルに「MY VISION」と掲げられた今回のツアーでは、それぞれのメンバーが自分の“ビジョン”を持ってコンサートに臨んだ。


 筆者が中でも印象的であったのは、ライブ後半にて披露された「スペシャルメドレー」。12期4人による「ゼロから始まる青春」を皮切りに、工藤の「ナビが壊れた王子様(LOVE CHANCE)」、佐藤優樹の「Do it! Now」……とメンバーがソロとして歌い踊るその姿は13期の2人に“先輩”として背中で語っているかのように思えた。さらに、アンコールラストでのリーダー譜久村の「卒業、加入とかはあるけど、つまづいても足踏みしても、もがいて進んでいかないといけない。何年経っても、芯が変わらないのがモーニング娘。なんじゃないかなと思うので。私は、モーニング娘。が大好きです。いつの時代のモーニング娘。も好きだからこそ、今のモーニング娘。を一番見て欲しいと思っています」という言葉は、新メンバーを迎え年始より始動するモーニング娘。’17を示しているかのようであった。終演後スクリーンに映し出された「see you next stage」という言葉もここに特筆しておきたい。


(渡辺彰浩)