ヴァージン・オーストラリア・スーパーカーのシリーズを代表するベテランドライバーであり、今季限りでホールデンのワークス待遇であるホールデン・レーシング・チーム(HRT)を運営するウォーキンショー・レーシングから放出されることが決まっていたガース・タンダーが、来季はギャリー・ロジャース・モータースポーツ(GRM)に復帰することが決まった。
2007年のチャンピオンであり、バサースト1000で3度の勝利を記録しているタンダーは、2008年より在籍したチームのシートを若手のスコット・パイに委譲。来季限りでホールデンの後ろ盾を失うチームから去ることが発表されていた。
現在39歳のタンダーは1997年にシリーズデビュー。2000年に初めてバサーストを制覇すると、2007年にはチャンピオンシップタイトルを獲得した。
2011年からはジェームス・コートニーとのタッグで、このワークスチームを牽引してきた。しかし今回の放出決定の発表は、彼が『サンダウン500』で勝利を挙げた直後という、異例のタイミングで行われた。
「多くの人々は、彼がどういう仕事を成し遂げていたか、あまり正確に理解できていないようだ」と語るのは、今回タンダーを獲得したGRM代表のギャリー・ロジャース。
「私はチャンスを得たことを理解し、すぐに彼にコンタクトした。我々にとっては何の問題もなかったよ。彼と少しチャットしただけで、事態はすべて正しい方向に進んだ」
2016年までGRMに所属した若手のホープ、スコット・マクローリンがボルボの撤退発表に合わせるようにして、フォードを走らせるDJRチーム・ペンスキーへの移籍を表明。そのシートをタンダーがリプレイスする形となる。
「我々の提案したオプションによって、タンダーはさらに成功へのキャリアを継続することになるだろう。それが今後2年か、10年かはわからないけどね。ただ、我々は彼がチームのためにドライブすることを喜んでいてくれるのでは、と感じているよ」
「話し合いのなかで、彼自身はあまり望まないステージかもしれないが、この耐久シリーズにおいて若手ドライバーのサポートの仕事も、彼がポジティブにこなしてくれることを期待している。その点も、彼は理解してくれたよ」
タンダーは、現在32歳のジェームス・モファットのチームメイトとしてGRMに加わるが、2017年シーズンに彼らがドライブするマシンが“どのマニュファクチャラーのものか”は、いまだ不透明な状況が続いている。
2016年までチームとジョイントしたボルボとポールスター・シアン・レーシングは、5月にシリーズからの撤退を発表。S60スーパーカーと、エンジンをスウェーデンに引き上げる意向を表明し、ボルボ側とGRMは法的討議の只中に置かれている。