政府が進める「働き方改革」で「同一労働同一賃金」の実現が議論されている。その実現に向けたガイドライン案の内容が、12月16日付けの日本経済新聞や朝日新聞などで報じられた。
報道によると、ガイドラインでは正規・非正規間の待遇差の考え方を明示。賞与に関しては「正社員に払って非正社員に払わない」というのは「悪い例」とされているという。内容は今月20日に実施予定の第5回「働き方改革実現会議」で示される見込みだとされている。
リアルタイム検索では16日13時時点で「非正社員」で6位にランクイン。正規社員と非正規社員の間で様々な意見が飛び交っている。
「非正社員に正社員並の責任や業務をさせているなら、賞与支給は当たり前」
ガイドラインでは賞与について、業績などへの貢献度が同じ場合は同一金額の支給を求め、「貢献に違いがある場合にはその差異に応じた支給をしなければならない」と明記されているという。これまで非正規に賞与の支払いをしてこなかった企業たちは対応を迫られることになりそうだ。
2014年の厚労省の調査によると、賞与支給制度の適用を受けている割合は、正社員では約86%に上るのに対し、非正規では約31%にとどまる。非正規も正社員と同じように賞与が年1~2回出るとなると、年収が大幅にアップしそうだ。今回の報道を受け、ネットでは賛同の声が挙がる。
「そーだ、そーだ? 今頃かよ!とも思うが。 非正社員は真っ先に首切られる危うい存在だのに、賞与ないから貯金もできね」
「非正社員に正社員並の責任や業務をさせているなら、賞与支給は当たり前。 賞与を支給するなと言うなら、まず非正社員に課している仕事量を見直せ」
最近では、人件費削減のためにバイトに正社員並みの働きを要求する職場もあり、賃金面の不公平感はいち早くなくしたいところではある。ネットでは、「むしろ非正社員にも積極的に評価制度を取り入れてもらいたい」と要求する人もいた。
格差を埋めるのなら「正社員のボーナスが出なくなるかも」という懸念の声も
一方で、正社員として働いている人からは「これじゃ正社員の意味が無い」「ボーナスもらえるのを励みに正社員になったのに… 」など批判的な声も出る。
「非正社員に賞与なんてあげたら、正社員のメリットないし。言われたことしかやらない、すぐに責任から逃れたがるパートや派遣社員たちに賞与なんて必要なし」
「非正社員はお金が少ないとか言うけども…知ってて入って文句言うって理解できない」
さらに、正規・非正規間の格差を埋めることが目的であれば、正社員の待遇が下げられ、賞与自体がなくなることを懸念する人もいる。
「正社員のボーナスが出なくなる方向性でも達成できるね。差があるのを悪いとしているのだから」
もっとも、前述の通り正社員でも賞与が支給されない人も一定数いるわけで、ツイッターでは、
「非正社員にも賞与を、の前に正社員にすら賞与が出ないブラックをどうにかしろよ」
「ボーナス云々で騒いでる人たちはうらやましいよ……」
という人もいた。