ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下、USJ)の運営会社は12月16日、執行役員の森岡毅氏が来年1月末で退社することを発表した。
森岡氏は2010年、業績低迷中のUSJに企画担当として入社し、同施設のV字回復に大きな貢献をした人物。その発想と手法は、著書『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』(KADOKAWA刊)からうかがうことができる。
森岡氏の功績としてよくあげられるのが、『ハリー・ポッター』シリーズの世界観を表現した壮大なエリアを作り、注目を集めた点だが、実はそれだけではない。
もともと、やや大人向けだったUSJを、子ども連れの家族でも楽しめるテーマパークにモデルチェンジや、それに伴う映画主体から「モンスターハンター」や「バイオハザード」といったエンタメ主体への転換を主導したのも森岡氏だとされている。
また、うしろ向きに走るジェットコースターの開発や、東日本大震災後の自粛ムードの中での「スマイル・キッズフリー・パス」の発行(期間限定)など、来場者から好評を集めた試みも多く生み出してきた。
『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』(KADOKAWA刊)では、多くの企画を成功させてきた森岡氏のアイデア発想法や、サービスについての考え方もつづられており、USJへの興味がかきたてられるとともに、ビジネス現場でも大いに参考になるはずだ。
卓越したアイデア力で、USJを復活させた森岡氏。退社理由は「一身上の都合」とのことだが、またどこかでその豊かな発想を見せてくれることを期待したい。
(新刊JP編集部)